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◆【軍隊式英会話術】 vol.6
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最低英会話能力「レベル1」をクリアーする Takashi Kato
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6時間目 最低英会話能力「レベル1」をクリアーする
ILR(政府機関言語会議スケール)は、「会話レベル1」を最低限の礼節をわきまえ、よく知
った事柄について、ごく簡単な会話ができる語学力としています。
この「レベル1」では、時制(tenses)をはじめとする文法の理解があやふやで、語彙(ごい)
の分野も非常に限られています。
また、文章の組み立てにも相当な困難がともないます。
したがって、聞く側は意識的にゆっくり話したり、実社会のさまざまな事例を動員したり、
また、言い換え(paraphrasing)や反復(repetition)を多用したりしなければなりません。
それでも誤解(misunderstanding)は頻繁に起こります。
しかし、「レベル1」スピーカーは誤解を解くために助けを求めたり、相手が分かったかどうか
確かめたりすることはできます。
外国人の英語に慣れた者となら、このコミュニケーション戦略というプロセスによって、正確さ
には欠けるものの、最低限の意思の伝達は可能です。
「レベル1」スピーカーはまた、毎日の生活を営むための必要事項、たとえば予測可能な日常会
話、挨拶(greetings)、簡単な自己紹介(simple self-introduction)、営業時間(office
hours)や手順(procedure)など仕事に関連する基本事項は、なんとかこなせます。初歩的な
質問なら聞くこともできます。
「レベル1」の認定を得るためには、最低限の礼節(minimum courtesy requirement)を保
ちながら、以下の項目に対処できなければなりません。
●略歴について話す (Talk about Simple Biographical Information)
●相手の経歴、家族、仕事、趣味などについて質問する (Ask Questions)
●日常起こりえる状況に対処する (Deal with Daily Situations)
最低限の礼節というと仰々しいですが、英語は日本語ほど敬語体系が発達していないので、あま
り気にしないでけっこうです。
これまで学校で習ったとおりに話していれば間違いありません。
むしろ、若いアメリカ人の会話相手などがいる場合のほうが心配です。
彼らの口語表現(colloquial expressions)を何でもかんでも覚えてしまうと、軍隊や政府関
係、職場の正式な席(formal occasions)で使えない英語になってしまう可能性はあります。
面識のない人に話しかける場合、"Hey"(おい)は避けてください。"Excuse me" が無難です。
ことに軍隊では、男性士官(male officer)と話す場合は sir 女性士官(female officer)
なら ma'am を初めと終わりにつけるようにするとメリハリのある会話になります。
"Excuse me, sir" (失礼ですが)
"Ma'am, I understand" (了解しました)
といった具合です。
下士官(non-commissioned officer : NCO)なら男女に係わりなく、"Good Morning,
Sergeant"(お早うございます、軍曹)で良いのです。
また、動詞の前に "please" や "I would like to" をつけるようにすると丁寧さが増すのでお勧
めします。
"Please say again"(もう一度言ってください。注:米軍ではこの意味では repeat を使っては
いけません。これは目標が完全に破壊されなかった場合の再砲撃を要請する言葉です)
"I would like to see you" (お会いしたいのですが)で良いでしょう。
若者が会話の随所に挿入する "man" や "you know"(単なる強調で意味はない)も日本人は避け
たほうが無難だと思います。
英語が安っぽく、また無教養に聞こえる恐れがあります。
質問する場合の疑問文では、「〜です」を意味するbe動詞、"am" "is" "are"
と、「〜する」を
表す、ほかのすべての動詞をはっきり区別することが大切です。
たとえば米軍人に「あなたの兵科(軍隊の職種)は何ですか?」と聞く場合なら、
"What is your military branch?" となります。
同じことを頻繁に使われる "do" という動詞をつかうと
"What do you do in the military?" (軍で何をしているのですか?)です。
この区別も、なるべくたくさんの文例を暗記してしまうのが一番近道です。分からなくなったと
きには、例文に立ち戻って思い出すことができます。
"What is your tank/fighter/rifle?"
(あなたの戦車・戦闘機・小銃は何ですか?)
"What tank/fighter/rifle do you drive/fly/use?"
(どんな戦車・戦闘機・小銃を操縦しますか?・使いますか?)
という要領です。
詳しくは付録の実技編で説明しますが、英語圏の日常生活で体験する状況には、たとえば次のよ
うなものがあります。
* 初対面での自己紹介(Self-Introduction)
* レストランで食事する(At a Restaurant)
* 道に迷ったら(If you get lost)
* 電話の会話(Telephone conversation)
* 許可を得る(Asking for Permission)
* 病気になったら・ケガをしたら(If you get sick/injured)
* ものを失くしたら(If you lose things)
* 基地を訪ねるときは(When you visit a military base)
* はじめての射撃(The First Shooting)
いずれの場合も、まず状況に対応するための最小限の語彙、つまり単語と動詞、決まり文句など
を覚えてください。
考えなければ出てこないうちは、その言葉はまだ自分のものになっていません。
自分のものになっていない言葉は、実際の会話ではけっして役に立ちません。
反射的に口をついて出るようになるまで、発音の反復練習を繰り返す。これが英会話をものにす
る秘訣です。
「レベル1」では、日常の動詞、たとえば
eat drink have lose talk use become cut break burn give visit meet see
shoot hold aim stand want を使えるようになることが目標です。
次の授業に進む。
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次は限りなく「レベル2」(仕事で使える最小限の語学力)に近い最低基本会話力「レベル1+
(プラス)」に進みましょう
DLIでの授業風景はこちらからどうぞ。
DLI写真館
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【著書の紹介】
米軍将校時代の体験をまとめた本「名誉除隊-星条旗が色褪せて見えた日-」を発売してい
ます。
興味のある方はぜひご一読下さい。
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