元米軍大尉が教える!!軍隊式英会話術
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元米陸軍大尉が教える!![軍隊式英会話術]
   
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【軍隊式英会話術】 vol.28

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◆【軍隊式英会話術】 vol.28
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初めて拳銃を撃つ                            Takashi Kato
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28時間目 初めて拳銃を撃つ


アメリカでは銃器を持つこと(To bear arms)が憲法(Constitution)で保障されています。
全米ライフル協会(National Rifle Association: NRA)が擁護し、日米のマスコミからは目
の敵にされる憲法修正第二条(Second Amendment)がそれです。

その是非は別にして、日米では自衛(Self Defense)、つまり自分の身を自分で守ることに対
する考え方がまるで違います。

日本では豊臣秀吉の刀狩り以来、一般人に武器を持たせない伝統があります。第二次世界大戦
後、アメリカの核の傘(nuclear umbrella)に入り、パックスアメリカーナ
(Pax Americana:アメリカの下での平和)を甘受してきた歴史も、自衛を人任せにする傾向
を増長したようです。

この対極がアメリカです。西部開拓時代(Settlement of the American West)には法と秩
序を保障してくれるお上が在りませんでした。
したがって、開拓者たちは銃で自分と家族の生命を守り、地域社会の秩序を維持したのです。

200年以上たった今も「自分の安全は自分で守る」という開拓者気質(Pioneer Spirit)は
アメリカ人の深層心理(deep psyche)に刻み込まれているようです。

アメリカでは、銃器は日常の「道具」(tool)と見なされています。自動車や飛行機、包丁や
ケータイとまったく同じです。使う人によって、良くも悪くもなるのが道具です。

銃も、それ自体は心を持たない、金属やポリマーの塊に過ぎません。ですから、まず安全マナー
(Safety Manners)を身につけ健全な常識(healthy common sense)に従って使えば、銃
は護身目的だけでなく、射撃というスポーツにも使える便利な道具になります。
士官クラブで知り合った軍の友人と射撃に出かけて見るのも一興です。

基地の中には散弾銃で皿を撃つクレー射撃ができるところもありますが、やはりライフルとピ
ストル射場(range)が一般的です。退役軍人たちが安全管理者のボランティアをしていると
ころもあります。

射撃はまず安全第一です(Safety First)。
銃に触れる前に、マナーを覚えておく必要があります。

初心者には射場の受付けで簡単な説明がありますから、これが分かるように、射撃や銃器の基
礎の語彙を確かめましょう。

主な語彙:
Handgun(拳銃)
Rifle(小銃)
Shotgun(散弾銃)
Barrel(銃身)
Slideまたはbolt(遊底)
Chamber(薬室)
Magazine(弾倉)
Ammunition(弾薬)
Hearing/eye protection(聴覚・視覚保護:イヤプロテクターと眼鏡のこと)
Target(標的)
Downrange(射撃場の標的がある方向)
Trigger(引き金)
Hammer(撃鉄)
Safety(安全装置)
Front sight(照星)
Rear sight(照門)
Shooting positions(射撃姿勢)
Standing(立ち撃ち)
Kneeling(膝撃ち)
Prone(伏せ撃ち)
Two-hand hold(両手保持)主な文型:命令形その他
Cease fire(撃ち方やめ)
Commence firing(撃ち方はじめ)
Clear(人影、障害物なし)
Point(向ける)
Stay behind the red/yellow line(赤線・黄色線の後ろに立て)
Handle(触る)
Load/Reload(装てんする・再装てんする)
Jam(作動不良する)

では、実際に射撃場に行って見ましょう。

車をおりると、「パーン、パーン」という乾いた銃声が聞こえてきます。たいしたことない
な、と思いきや、腹に響く轟音です。たぶん大口径ライフルでしょう。いよいよやって来た
ぞ、と緊張します。

受付けで、免責同意書(liability waiver)に署名して、射場規則(range rules)の説明
を受けます。

 "Have you been here before?"
 (以前、ここにきたことがありますか?)
 "No, sir/ma'm. First time"
 (いいえ、ありません)
 "O.K. Please observe the following rules"
 (では、次の規則を守ってください)

Observe というと日本語にもなっているオブザーバーを思い出しますね。しかしこの言葉
には「守る」という意味もあるのです。

分からなかったら?

 "Observe rules? What do you mean?"
 (規則をオブザーブする? どういう意味ですか?)

と聞けば良いですね。

 "Oh, follow these rules"
 "Ah, follow rules. I understood
 (ああ、規則に従うのですね。分かりました)
 "First, when cease fire is called, leave your weapon on the table, with the slide
  back, magazine removed and with a yellow plastic flag in the chamber. And stand
  behind the red line"
 (まず「撃ち方やめ」と言われたら、銃を机の上に置くこと。遊底は後ろに引き、弾倉を抜い
  て黄色のプラスチックの小旗を薬室に入れる。そして赤い線の後ろに立つこと)
 "I see"
 (分かりました)
 "When range clear is called, you can go downrange to set up or change your target"
 (「射場に人影なし」と言われたら、射場に出て標的をセットしたり、張り替えたりして良い)
 "I understood"
 (分かりました)
 "During cease fire, you can't handle your weapon. Keep standing outside of the
  red line"
 (撃ち方やめの間は銃を扱わないこと。赤い線の外側に立って待つこと)
 "Yes, sir"
 (分かりました)
 "Commence firing is called, you may go back to the bench and commence firing"
 (「撃ち方はじめ」と言われたら、射撃ベンチに行って撃ち始めて良い)
 "Roger that, Sir"
 (了解です)

最後のロジャーという表現は、軍隊や航空管制でよく使われるもので、「了解」に当たります。
軍人やパイロットと話すときに使えると、軍隊通に聞こえます。

さて、それではセイフティオフィーサーの指示を待ちましょう。

 "Commence firing!"

「撃ち方はじめ」です。

射撃ベンチについてください。眼鏡とイヤプロテクターを忘れないように。
使用銃は米軍制式拳銃でもあるBeretta 92Fです。
口径(caliber)は9ミリですから反動(recoil)は軽く初心者(beginner)にも撃ちやすい
ものです。

軍人の友人が使い方を説明してくれますからよく聞いて!
イヤプロテクターをしていると、言葉が聞き取りにくくなります。分からなかったら何と言い
ますか?

そうですね。
 "Say again"
です。

 "Treat every gun as if loaded"

As if......は「あたかも……のように」の意味ですから load(装てんする)と使えば「あたか
も装てんされているように」になり、全文では「あらゆる銃は弾が入っているものとして扱う
こと」になります。

 "So when you have a gun, you must immediately make sure that it is empty"
 (だから銃を持ったら、すぐに空であることを確認する)
 "How do I do that?"
 (どうやって?)
 "This way. Remove the magazine and pull back the slide. Then look into the
  chamber"
 (こうやるんだ。弾倉を抜いて、スライドを後ろに引き、薬室を見る)

Chamberは普通は部屋のことですが、銃に使うと弾薬が入るところ、つまり薬室の意味にな
ります。

 "Even now? I know your gun is empty?"
 (今も? あなたの銃が空なのは知っているけど?)
 "Affirmative"

Affirmative は軍人がよく使う表現で「そのとおり」を意味します。
反対の意味(違う)の Negative と一緒にペアで覚えてください。

 "Insert a loaded magazine. Pull back the slide and release it. Now the weapon
  is ready to fire. Keep your finger off the trigger until ready to shoot."
 (装てんされた弾倉を入れ、スライドを引き、放す。これで射撃準備完了。撃つ時まで、指は
  引き金にかけないこと)
 "Roger that"
 "Hold the weapon with two hands firmly"
 (銃を両手でしっかり保持して)
 "Like this?"
 (こう?)
 "Affirmative. That is a good two hand hold stance. Put the front and the rear
  sights in the black circle of the target"
 (そうだ。良い両手保持姿勢だ。照星と照門を標的の黒点の中に入れて)
 "Like this?"
 "Negative. Keep both of your eyes open and aim"
 (そうじゃない。両目を開けて狙うんだ)
 "Roger that"
 "When the sight picture becomes stable, then gently add pressure to the trigger"
 (サイトピクチャーが安定したら、引き金に徐々に圧を加えて)
 Bang!
 (ガーン!)

イヤプロイテクターを通しても銃声が聞こえましたね。小気味良い反動とともに、空の薬きょ
うが後ろに飛んで行ったのが分かりましたか?

初めて拳銃を撃った感想はどうですか?

 "This is wonderful!!!"
 (素晴らしい!)

結構です。

では言われた通りに、落ち着いて撃ちつづけて下さい。
最終弾を撃ってしまうと、スライドは後ろでロックされて止まります。

 "Cease fire!"
「撃ち方やめ」です。

おや、どうしました。ああ、感激のあまり受付けで説明された安全ルールを忘れてしまったの
ですね。では友人に聞いてください。

 "What should I do now?"
 (どうすればいいのかな?)

よくできました。友人の指示に従ってください。

 "O.K. Remove the magazine"
 "Roger"
 "Put the weapon on the shooting bench"
 (銃を射台の上に置いて)
 "Place the yellow flag into the chamber"
 (黄色い小旗を薬室に入れて)
 "Oh, I remember now. Step behind the red line, correct?"
 (ああ、思い出した。赤い線の後ろに立つんだね?)

その通り。友人が笑顔で頷いています。
休みの間に標的を張り替え、もう少し撃ちましょう。

次回は、射撃中に作動不良が起こった場合にも挑戦します。

次の授業に進む。

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