元米軍大尉が教える!!軍隊式英会話術
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元米陸軍大尉が教える!![軍隊式英会話術]
   
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【軍隊式英会話術】 vol.14

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◆【軍隊式英会話術】 vol.14
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プロの聴解力を目指して レベル1〜1プラス(+)            Takashi Kato
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14時間目 プロの聴解力を目指して レベル1〜1プラス(+)

会話力と聴解力は密接につながっています。表裏一体(one and the same thing)なのです。

どれほど慣用表現を覚え新聞用語や専門語を蓄積しても、何を話しているのか、どういうことを
質問されているのかが分からなければ、せっかくの語彙も使いようがありません。

逆に言えば、聞けるようになると会話力も飛躍的に伸びるということです。

外国語習得のなかで、もっとも退屈かつ難しく、おまけに時間もかかるのが聴解です。

聞き逃せばその場で消えてなくなってしまうのが音声情報の宿命です。この難関を突破するには
どうしたらいいでしょうか?

まずILR(政府機関言語会議テーブル)のレベル1〜1プラス(+)の認定条件を見てみまし
ょう。

レベル1〜1+はサバイバル状況や旅行時に必要な事柄、最低限の礼節を理解できる程度の初歩
聴解力です。レベル1〜1+スピーカーは、外国人の英語に慣れている者が(英語教師など)こと
さらはっきり、ゆっくり発音し、繰り返しや言い換えを多用しないと分かりません。

語彙や文法理解も、日常生活をおくるうえで必要最低限のものに限られています。
食事(dining)、宿泊手続き(lodging)、交通手段(transportation)、時間(time)、そし
て税関や移民局の係員、警察官などの簡単な指示(instructions from customs officials and
police officers)がこれに含まれます。

したがって、まず、会話レベル0プラス(+)〜1でリストアップした単語や挨拶、慣用表現を
攻略します。

覚えたい単語なり句なり短文なりを、聞いた直後にそのまま言い返す練習が効果的です。

間髪をおかず聞こえたとおりに繰り返すのです。反射的に言えるようになるまで100回でも
200回でも反復してください。

声帯筋肉に、発音という反復動作を染み込ませる要領です。ダンスのステップや空手の形を覚え
るのとまったく同じことです。

最初はイメージを伴う言葉が良いでしょう。
例えば基地内を歩いていると目に付く
  "Off Limit"(立ち入り禁止) 
  "Tank Crossing"(戦車が横切る) 
 "No Parking in front of Headquarters" (司令部前駐車禁止) 
 "No Smoking. Ammo Storage" (禁煙 弾薬庫)などの標識です。

軍服につける徽章、例えば 
 "Airborne Badge"(空挺徽章) 
 "Air Assault Badge" (空中襲撃徽章) 
 "Combat Infantryman Badge"(戦闘歩兵徽章) 
 "rank"(階級) 
 "unit patch"(部隊章)も触れることができる物だから覚えやすいと思います。

兵舎の中の 
 "latrine"(手洗い)
 "mess hall"(食堂)
  "day room" (休憩室)だってかまわいません。

毎日の生活のなかで、目に触れるものを片っ端から覚えていくのです。

このとき、電車の運転士やパイロットがするように「指差し呼称」することを勧めます。「動作
」によって、音と音が指し示す物のつながりを強化できるからです。

音を聞いて反射的に繰り返すことができても、瞬時に意味が出てこなければ、それはまだあなた
の言葉になっていません。音と意味が完全につながるまで、200回かかろうが、300回かか
ろうが、繰り返すしか道はありません。外国語の習得は才能より努力だと言われる所以(ゆえん)
です。

この練習を半年から1年ぐらい続けていると、切れ目ない音の流れにしか聞こえなかった英語に
、そこここで意味が浮かび上がってくるようになります。

まるで小川に顔を出す飛び石のようです。

例えば、"You don't smoke within 50 meters of the ammo storage, please" と見学に訪
れた米軍基地で広報官に言われたとしましょう。

最初はこれらの言葉がお互いにどう結びつくかは分からないものだですが、少なくとも 
 "don't smoke" (禁煙)
 "50 meters" (50メートル) 
 "ammo storage"(弾薬庫) は分かるでしょう。これだけで大まかな見当ならつきます。

「弾薬庫から50メートルは禁煙」見当だけでもつけば、対応もできるのです。対応ができれば
、どれほどたどたどしくともそれは「会話」です。

少しでも会話が成り立つと、英語が面白くなります。面白くなれば、聴解練習からも辛さが薄れ
ていきます。

そうなればしめたものです。聞く回数が増えるにつれ、「飛び石」の数が増えてきます。
また、英語の文法にも徐々に慣れてくるでしょう。単語から短文、やや長めの文章から文節への
レベルアップも、「飛び石」が増えるにしたがってできるようになります。

大切なのは、せっかく覚えた単語や句を絶対忘れないことです。覚える端から忘れてしまっては
、いつまでたっても語彙の総量は増えません。フラストレーションもたまります。対策は不断の
単語チェックにつきます。

覚えた単語をカードに書き、まだ覚えているグループと忘れてしまったグループに分けてくださ
い。これを週に2〜3回行ないます。

ゴールは、忘れてしまったグループをできる限り小さくすることです。このチェックを1カ月怠
ると、忘れてしまっている単語が何かが分からなくなってしまいます。

どの言葉を忘れたかが分からなければ、対策の打ちようがありませんね。

この悪循環に陥ると、1年経っても2年経っても語彙が増えず、進歩もありません。
ぼくにも覚えがあります。

「いくらやってもできるようにならない!」このフラストレーションが英語放棄への一本道でし
た。

英語をモノにしたければ、明けても暮れても聴解単語チェックです。読者の方々も、このことを
忘れないでおいてください。



次の授業に進む。


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