元米軍大尉が教える!!軍隊式英会話術
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元米陸軍大尉が教える!![軍隊式英会話術]
   
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【軍隊式英会話術】 vol.51

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◆【軍隊式英会話術】 vol.51
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南カリフォルニア大地震 ?      ?         ?  ?Takashi?Kato
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51時間目 南カリフォルニア大地震


帰宅すると留守番電話(answering?machine/voice?mail)の伝言(message)が待
ち構えていました。

  "Report?to?the?base?immediately.??Our?unit?was?mobilized?and?will?be
 ? dispatched?to?Northridge?for?a?disaster?relief?mission"

"report"?には日本語にもなっている「報告・報道する」の他に「届け出る」とか
「出頭する・登校する」と言う意味もあります。ですからこの伝言は次のように訳
します。
(速やかに基地に出頭せよ。わが部隊は動員され、災害援助任務のためノースリッ
ジへ派遣される)

軍隊は年中無休24/7:?twenty-four?seven)です。土日の休みは権利(right)では
なく特典(privilege)なのです。ひとたび有事となれば特典は取り消されるのです。
出頭から数時間後、部隊は空軍のC130輸送機で南カリフォルニアに向かいまし
た。空挺訓練(Airborne?training)で飛び出した、あの同じ機体です。しかし今
日はパラシュートや小銃なしの軽装です。

空港から直ちにFEMA:?Federal?Emergency?Management?Agency(米連邦非常事態管理局)
のテント村(tent?city)に出発します。

高速道路(freeway)をロスに向かうと、根元から傾いたビルやペチャンコになっ
た民家がうかがえます。全域が破壊されたのではなく、被害は数箇所に集中してい
るようです。

今回の任務は、語学情報大隊(Military?Intelligence?Battalion?Linguist)の分
遣隊(detachment)としてFEMAの支援(support)をすることです。

具体的には、被災者(victims)を収容するテント村で、英語の分からない新移民
(new?immigrants)や市民たちと、外国語の分からないFEMA職員の仲立ちをす
るのです。
多民族国家(multi-ethnic?nation)アメリカならではの任務といえるでしょう。

被害の激しい地区ではすでに憲兵隊(military?police?unit)や歩兵(infantry)
がパトロールを行なっています。
地震後の混乱で治安が悪くなっているので、暴動(riot)、暴行(violence)、狙撃
(sniping)、略奪(looting)を防止するためです。

小銃を持ち、暴動鎮圧用のフェイスプレートをヘルメットにつけた武装兵(armed
? soldiers)たちは威圧的(threatening)です。ことに、軍隊が独裁(dictatorship)
や人権無視(ignoring?human?rights)の象徴だった国から来た移民たちにとっては
なおさらです。

ですから、彼らの語学援助にあたる我々は、武器はいっさい携行しません。いかつ
いヘルメットの代わりにソフトキャップ(野戦帽)をかぶります。
まず、兵への恐れ(fear?of?soldiers)を取り除き、信頼を得ることが基本だから
です。

  "We?need?somebody?who?speaks?Japanese?here!"
  (日本語が話せる人が必要です!)

テント村の一角で声が上がりました。早速行って見ましょう。

年配の女性が、FEMA職員の机の前に立っています。小鳥のように脆い感じの老
女(fragile?looking??old?woman?looking?like?a?bird)です。
まず安心させて上げましょう。

「おばあさん、米陸軍の語学兵です。通訳のお手伝いに来ました」
「ありがとうございます。アメリカに50年も住んでいるんですが、英語が話せな
くて、お世話になります」

孫だとしてもおかしくない我々に、深々とお辞儀をされるといささか戸惑いますが
、ここが語学兵(military?linguist)の腕の見せ所(time?to?show?your?skill)
です。

FEMAの女性職員になにが知りたいのか聞いてみましょう。

  "Ma'am,?what?do?you?need?to?know?about?her?"
  (どんな情報が必要ですか?)

  "Would?you?ask?her?name,?where?she?was?rescued?and?under?what?circumstance?"
  (名前と、どこでどんな状況で救助されたのか聞いてください)

「石方とみこと申します。息子と息子家族とロスに遊びに来ていたとき、地震が起
こりました。腰が抜けてその場にしゃがみこんでいるうちに、家族とはぐれてしま
ったんです」

「腰が抜けて」とか「はぐれる」はどう訳しましょう? ここも難しく考えないこ
とです。今回は子供が大人に説明するときのように考えてください。

  "I?am?Tomiko?Ishikata.??I?was?in?L.A.?with?my?son's?family?when?the
 ? earthquake?hit.??I?was?so?scared?and?could?not?move.....and?was
 ? separated?from?them"

すべて中学生が知っている英語で要点をついています。見事な通訳です!

  "Please?assure?her?that?her?family?will?come?here?to?pick?her?up?soon."

この場合の?"assure"?は「保障する」とか「請合う」よりも「安心させる」が適当
ですね。
ですから(ご家族がもうすぐここに迎えにやってきますから安心してください)

おばあさんが手を合わせて職員にお辞儀をしています。

  "She?is?saying?that?she?is?so?very?grateful?for?your?help"

疲れ気味だった女性職員の顔に笑みが浮かびます。この瞬間、英語と日本語で人と
人をつなげることを目指し苦労してきた努力が報いられました!


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