元米軍大尉が教える!!軍隊式英会話術
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元米陸軍大尉が教える!![軍隊式英会話術]
   
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【軍隊式英会話術】 vol.50

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◆【軍隊式英会話術】 vol.50
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砂漠の嵐(3)     ?      ?         ?               ?Takashi?Kato
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50時間目 砂漠の嵐(3)


  "SGT?Thompson?reporting,?sir"
  (トンプソン軍曹、出頭しました)

三等軍曹の階級章と空挺徽章をつけた大柄な男性が、目の前で直立不動の姿勢を取
りました。

  "At?ease,?Sergeant?Thompson."

私の号令に、軍曹がキレの良い動きで「休め」の姿勢をとりました。まだ救いはあ
るようです。
部屋の隅に立っている中隊曹長(Company?First?Sergeant)に目配せします。彼女
が微かにうなづきます。同意見のようです。

  "Sergeant?Thompson,?do?you?realize?why?you?are?here?"
  (トンプソン軍曹、なぜここに呼ばれたか分かっているか?)

  "Yes,?sir.??Because?I?got?drunk?on?duty"
  (はい、任務中に飲酒したからです)

回教国では土地の人々の習慣を尊重するため、米軍内でも禁酒(alcohol?prohibited)
です。
しかし、単調で娯楽とてない砂漠生活が長くなると、しかも、命の危険が伴うよう
な環境では、処罰だけでは規律が保てません。

人の常として、If?I?am?going?to?die?here,?do?whatever?I?like?beforehand(こ
こで死ぬのなら、好きなことをしてから)と考える者が出てくるからです。
軍曹は、基地内で働いているフィリピン人労働者から、果物を太陽光で醗酵させた
密造酒(moonshine)を手に入れていたようです。下手をすると臓器不全から死に
いたる代物です。

まだやり直す見込みがある兵士のカウンセリングでは、階級(rank)や権威
(authority)に頼るより、本人に非を分からせるように持って行くのが効果的です。
簡潔な英語で言うにはどうしますか?

相手の責任感(sense?of?responsibility)や自負心?(pride)に語りかけるので
す。やってみましょう。(Let?'s?try)?

  "What?do?you?wear?on?your?uniform?"
  (軍服に何をつけている?)

  "Sergeant's?stripes?and?Airborne?wings,?sir"
  (軍曹の階級と空挺徽章です)

  "What?do?they?mean?to?you?"
  (軍曹にとってそれはどういう意味があるのかな?)

良い滑り出しです。簡単な英語で的確にツボを押さえています。その調子です。

  "I?am?proud?of?them"
  (誇りに思っています)

  "I?bet?you?do"

うまい表現を使いましたね。Bet?は「賭ける」の意味があり「あなたがそうする
ことに賭けてもいい」つまり「きっとそうする」とか、この場合なら「きっとそ
うだろう」になります。

  "What?is?a?sergeant???What?does?he?do?"
  (軍曹とは何だ?何をするんだ?)

  "He?is?a?leader,?sir"
  (リーダーです)

  "That?means?you?are?a?leader.......with?the?Airborne?wings"
  (ということは、キミがリーダーだということだ……空挺徽章をつけた)

  "Yes,?sir.??I?should?have?known"

軍曹が言った?"should?have"?は、すでに起こってしまったことに対して、後悔を
表すときなどに使う表現です。
"should?have?done"?なら「やっておくべきだった」になります。ですからこの場
合は?「分かっているべきでした」の意です。

  "How?does?a?leader?lead,?Sergeant?"
  (リーダーはどうやってリードするんだ、軍曹?)

  "By?example,?sir"
  (模範を示してです)

  "When?you?get?drunk?on?duty,?what?example?are?you?showing?to?your
 ? subordinates?"
  (任務中に酔っ払ったら、部下にどういう模範を示すことになるんだ?)

  "I?am?very?sorry,?sir.??I?let?you?down......I?am?terribly?sorry"
  (申し訳ございません。失望させてしまって。本当に申し訳ございません)

見事な(masterful)カウンセリングです。もうこれ以上軍曹を追い詰める必要は
ないでしょう。彼は自分でも十分わかったようです。

  "Sergeant?Thompson,??I?will?give?you?another?chance.??Show?me?some?backbone"
  (トンプソン軍曹、もう一回機会を与えよう。気骨を見せてみろ)

  "Yes,?sir"

  "First?Sergeant,?anything?to?add?from?you?
  (中隊曹長、ほかに何か?)

  "No,?sir.??You?said?it?all"
  (いいえ。すべておっしゃいました)

  "All?right?then.??Sergeant?Thompson,?you?are?dismissed.??Carry?on"
  (それではトンプソン軍曹、以上だ。任務を続行せよ)

終わり方もこなれています。Dismissed?は民間で使えば「キミは首だ」ですが、
軍では「解散」とか「以上」ですね。また、continue?の軍隊式が?carry?on?です。

軍隊英語が染み込んできました!



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