元米軍大尉が教える!!軍隊式英会話術 |
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【軍隊式英会話術】 vol.45 |
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ "Look at that moose! Delicious!" 猫柳が群生したあたりから、ばちを打ち合わせるような乾いた音が聞こえます。 "Delicious? What do you mean by that?" "I want to shoot him. That's what I meant" ヘレナはアラスカのブッシュ(Bush:僻地)で育ったうえ、勇猛で知られた バイキング(Viking: 北方ゲルマン族)の血を引いています。 "Can you hit it?" "Easy. Just 100 meters" "You are something else" ヘレナにぴったりの表現を使いましたね。Something else とは「何か普通とは違ったもの」つまり「すごい人」。口語にすれば「キミってすごいな」ですね。 "But M16 rifle is really too small for that game. I need my 30-06 bolt action rifle for a clean kill" "Besides, we have just blanks today" "You are right on that" ヘレナが狩人の目を獲物(game)からはずしながら同意しました。right on that は「誰々の言うことが正しい」です。もっと自然な訳なら「そうね」とか「その通り」でしょう。 "Fall in, people!" 軍曹の号令です。 people は普通は「人々」とか「国民」ですが、部下などの総称としても使われます。この場合は「全員整列!」でいいでしょう。 "Who are from Lower 48?" Lower 48? 軍曹が耳慣れない表現を使いました。直訳すると「より低い48」で意味が通じません。 ヘレナ以外の全員が手を上げました。 "Among you, who knows how to set up a rabbit snare?" 私たちはお互いの顔を当惑げに見合い(looked at each other embarrassed)、そして視線は自然とヘレナの方に流れていきました。 "You city folks can't survive in the wilderness. O.K. Cadet Erickson, show them how" City folks と呼ばれてしまいましたね。フォークダンスやフォークソングの folk で「人々」の意味です。都会(city)の人々、つまり「都会人」ですね。 "First make a loop like so" 軍曹に渡された針金で、ヘレナは器用にループを作りました。Like so は「このように」の慣用句です。(まずこのようにループを作って) "Make sure the loop is big enough for a rabbit's head to go in" Make sure は辞書で引くと「確認する」となっていますが、口語では「必ず〜する」に近いでしょう。 彼女は近くの木の枝を折って、ナイフで一端を削ります。 "Then attach the wire to this stick" "Now, let's find a rabbit's trail" しばらく歩くと、ヘレナが雪の地面を指差しました。 "Here it is! しかし、そこは何の変哲も無い雪面にしか見えません。都会人たちは、互いに顔も見合わせるばかりです(The city folks just looked at each other)。 "Place the snare in such a way that a rabbit's head will go in" ヘレナは顔を雪に押し付けるようにして、慎重にワナの高さを調節しています(adjusting height of the snare carefully)。狩人の技(trapper's art)です。 "Make sure to block the other path with twigs so that the rabbit will come into the snare" "O.K. That's it. Tomorrow morning, we will have roasted rabbit for breakfast! Yummy!" 翌日、氷霧(ice fog)の舞う朝日の中をワナに向かうと、かなり大きい野ウサギが倒れていました。氷点下20度の冷え込みで、すでに凍っています。 "I will start a fire then" インテリタイプの候補生が志願しました。血を見たくないようです。 "First, skin him like so" 日本語でも「皮膚」を意味する skin は動詞では「皮を剥ぐ」になります。 "Next, gut him" 同様に「内臓」を意味する gut も動詞では「内臓を取る」です。 "Don't puncture the intestine. That will be messy. The trick is to remove the whole digestive tract as one piece, you know" 日本語で「パンクする」と言いますね。これはタイヤに穴があくということです。 "Now, wrap it in the aluminum foil" "Leave it in the fire for 10 minutes and it will be done!" しばらくして取り出し、アルミ箔を解きます。立ち上る湯気に顔も近づけ、ヘレナはうっとりとした表情で香りを堪能しています。 "It smells yummy, doesn't it?" 都会人たちは半信半疑の笑顔(dubious smile)です。ヘレナが気が付き、 "If it smells too strong, use some sold and pepper from your MRE packet." 言われたとおり調味料をかけ、銃剣(bayonet)で小片を切り取って食べてみます。 見目麗しいヘレナが ( Beautiful Helena) 突然頼もしくも見えてきました(started looking confident too)。美少女の外見をまとった狩人(a hunter in beautiful girl's skin)にグーッと惹かれます(strongly enchanted)。 "I wonder what it would be like to live with this woman......." "I would never let you be bored, of course" 独白(talking to myself)が聞こえたのか、ナイフの手を休めたヘレナが言いました。剣先でヘルメットを押し上げる仕草(the way she pushes up her helmet with the tip of the knife)は、バイキングの女王(Viking Queen)です。 英語のおかげで、人生が面白くなりそうですね!
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