元米軍大尉が教える!!軍隊式英会話術
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元米陸軍大尉が教える!![軍隊式英会話術]
   
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【軍隊式英会話術】 vol.25

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◆【軍隊式英会話術】 vol.25
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基地で道に迷ってしまったら                        Takashi Kato
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25時間目 基地で道に迷ってしまったら


米軍の基地は広大です。
しかも基地内の建物は、兵舎にしろ独身将校寮(Bachelor Officers' Quarter)にしろ家族
住宅にしろ、作りも塗装もまったく同一なのです。
どちらを向いても金太郎飴のような建物が続くばかりです。
ここで迷ってしまったらどうしますか?

外国で、見ず知らずの人に声をかけるのは勇気がいることです。
しかし、うっかり演習地のほうに行ってしまうと、通行人すらいなくなってしまいます。
堂々巡りに陥る前に、車を安全なところに止めて近くの人に聞きましょう。

ロールプレイに入る前に、まず基地内で見かける建物の名前や、道を聞く際の文型を確かめて
おきましょう。

主な語彙:
Main Gate(正門)
East, West, South, North Gate(東、西、南、北門)
Post Exchange(PX:陸軍・空軍基地売店)
Naval Exchange(NEX:海軍基地売店)
Officers' Club(士官クラブ)
Non-Commissioned Officers' Club(下士官クラブ)
Mess Hall(軍食堂)
Bachelor Officers' Quarter(独身将校寮)
Bachelor Enlisted Quarter(独身下士官寮)
Barracks(兵舎)
Exercises area(演習地帯)
Army, Naval, Air Force hospital(陸軍、海軍、空軍病院)
Tank Crossing(戦車横断)
Restricted Area: Keep Off(立ち入り禁止区域)
A,B,C company(アルファ、ブラボー、チャーリー中隊)
Headquarters(司令部)
Chapel(礼拝堂)
Gym(体育館)
Parade ground(閲兵場)
Ammunition bunker(弾薬庫)
Water tower(給水塔)
Snack bar(軽食売店)
Troop Medical Clinic(軍診療所)
Landmark(目印)
Lawn(芝生)
Address(住所)

主な文型:
to be lost(道に迷う)
Want to go to----(――に行きたい)
Show me the way to----(――への道を教えて)
Is there-----?(――がありますか?)

状況は2つ。
基地の友人宅を訪ねるときと、その帰り道です。
それでは実際に車に乗ったつもりになってロールプレイを始めましょう。

状況―1
士官クラブで知り合いになった空軍大尉の自宅に招待されました。
彼と奥さんの家は士官住宅地域のなかにあります。
同じような建物ばかりだから分かりにくいと言われていましたが、案の定迷ってしまいました。
目印はPXだと聞いています。念のため、メモに住所を書いてきたのですが……。

まず、通行人を呼び止めるところからです。
これまでに習ってきたとおりやってみてください。

そのあとは「道に迷う」にあたる "I am lost" を使います。
このとき、"I am afraid" (――みたいなんですが)や "Would you help me?" (助けて
いただけますか?)も加えるとより自然です。

 "Excuse me, please. I am afraid I am lost. Would you help me?"
 "Excuse me, ma'am. I am afraid I got lost. Would you help me?"
 "Excuse me, sir. I am lost. Would you help me?"
 (ちょっとすいません。道に迷ってしまったようなんですが。助けていただけますか?)

意味は三文ともほぼ同じです。話しかける相手の性別によって sir と ma'am を使い分け
ることは前にも話しましたね。

最初の文の呼びかけなら、男女ともに使えます。
もし相手の答えが

 "I am afraid not. I am a stranger here myself"
 (申し訳ないけど、ここ自分も初めてなんです)

の類いだったら、

 "I see. Thank you any way. I will ask somebody else"
 (そうですか。とにかくありがとう。誰か他の人に聞きます)

と言って次の人を探してください。

 "Where are you going?"
 (どこに行くんですか?)

この問いが帰ってきたらあとは簡単です。
「――に行きたいんですが」「道順を教えてください」と持っていけばいいのです。

 "I am going to my friend's house. Here is the address. Would you show me the way?"
 (友達の家に行くんです。これが住所です。道を教えていただけますか?)

住所のメモを差し出しながら、

 "I am looking for this address. Do you know where it is?"
 (この住所を探しているんです。どこだか分かりますか?)

と尋ねても良いでしょう。
相手が答えあぐねているようなら、landmark(目印)を示すのも効果的です。

 "My friend said there was a PX/NEX/Officers' Club/BOQ/Army Hospital/
  parade ground/troop medical clinic...."
 (友人が、近くに軍売店、士官クラブ、独身将校寮、陸軍病院、閲兵場、軍診療所があると
  言っていましたが……)

相手が道を説明し始めました。
外国語で「手順」や「道順」を即座に理解するのは相当高度な聴解力が必要です。
頭の中にきっちり順路がかけない場合は、「すいませんが、道順を書いてくれませんか」
または「お手数ですが、地図を描いてくれませんか」と頼むほうが無難です。

うろ覚えでは、3人目、4人目と聞かなければならない羽目になります。
道順なら動詞は write、地図なら「描く」の draw を使います。

 "Would you do me a favor? Could you write me the directions?"
 "Do me a favor, please. Would you draw me a map?"

Favor とは好意とか親切のことですが、ここでは「お願いがあるんですが」とか「お手数
ですが」のような意味になります。

状況−2
初めての外国で、新しい友人夫婦と楽しい時間を過ごしました。
ひと仕事済ませたような、ちょっといい気分になっていたら、帰途で再び迷ってしまいま
した。日が暮れたあとの基地内はいよいよ手がかりがなく、まるで迷路です。

でも心配要りません。来るときの体験を活かせばいいのです。
すでに通行人の姿は途絶えていますから、どこか公共の場所に行きましょう。
PX/NEXや隣接するガソリンスタンドでもかまいませんが、そこも閉まっている場合
は、BOQやHQに行ってみましょう。

軍隊は年中無休の組織ですから、滞在施設や司令部には夜間、休日も担当将校や下士官が
常勤しているのです。

まず、自分が基地にいる理由を言って、それから道に迷ったことを伝えましょう。
あとは来るときと同じです。

 "Excuse me, ma'am/sir/sergeant. I am on the way home from my friend's house
 here....and I am afraid I am lost. Would you help me? Please show me the way
  to the main exit"
 (ちょっとすいません。友人の家から帰るところなのですが、道に迷ってしまったようで
  す。助けていただけますか? 正門にいく道順を教えてくれませんか?)

相手が士官か下士官か分からない場合は、 "Excuse me, please" で良いでしょう。
担当士官や下士官は基地内の簡単な地図を用意していますから安心です。

それでも自信がない場合は?そうですね。万が一の場合に備え "landmark" を聞いておき
ましょう。

 "Just in case, is there a landmark near the main gate?"
 (もしまた迷った場合、正門のそばに何か目印がありますか?)
 "Yes, sir. There is an Army hospital/a parade ground on your left when you come
 close to the main gate. It is a large building/place and you can't miss it"
 (はい、ごさいます。正門に近づくと左に陸軍病院・閲兵場があります。大きな建物・場所
  ですから、すぐ分かります)

これで家に帰れそうですね。階級が分かっていれば階級で。士官であることが分かっていれ
ば sir/ma'am で。それも分からなければ、ただ心からお礼を言ってください。
真心はいずれの場合も通じるものです。

 "Thank you very much, sergeant/lieutenant/captain"
 "Thank you very much, sir/ma'am"
 "Thank you so very much. Good night"

次からは、もう何の心配もなく来られそうですね。
日常茶飯事(daily routines)の1つ1つを英語で解決することが、すなわち、真の英語力
(true English proficiency)につながっていくのです。

次の授業をうける。

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