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目  次

1 白兵戦を制する歩兵小火器 5
2 軍用ピストル(拳銃) 25
3 サブ・マシンガン(機関短銃) 51
4 ライフル(小銃) 115
5 アサルト・ライフル(突撃銃) 180
6 マシンガン(機関銃) 207
7 アイディア倒れの珍兵器 280
 訳者あとがき 293


訳者あとがき

 本書は、イギリス王立軍大学校教授だったジョン・ウィークスによって書かれたザ・イラストレーテッド・ヒストリー・オブ・ザ・バイオレント・センチュリー・シリーズの中の『インファントリー・ウェポン(歩兵火器)』を翻訳したものだ。
 原書は、かなり前に出版されたものだが、現実に第二次世界大戦を経験して、本書に記述された小火器を実際に使用した筆者によって書かれている点で注目される。
 そのため本書のなかには、現実の戦場で経験した事実や、ほかの兵士たちが経験したエピソードが、数多く書かれていることも興味を引かれる。
 もちろん筆者自身がイギリス人であり、そのため、全般的にイギリス製の小火器に甘い採点がくだされ、外国のイタリア製やフランス製、日本製、ソビエト製などの兵器などに対して厳しい採点がおこなわれているような気がするのは翻訳者だけではないだろう。
 翻訳して行くなかで、原作者によって書かれた原書と、訳者の考えが異なることもあった。そのような場合、本書では、いうまでもなく原作者の意見を優先させてある。
 今回の新訳にあたり、訳者は、原作者の意見を尊重しながら、読みやすいことをもっとも重視し、かなりの部分を意訳した。
 翻訳で使用された兵器の名称は、あくまで原作者が使っている名称を基本としている。日本の読者に分かりにくいと思われる兵器名称には、訳者の判断で追記を加えた。
 名称の統一のため、例えば日本軍が使用した兵器などは、38式ライフル(38式小銃)と併記した。また、ドイツの兵器の場合、MP40やMG42などすでに兵器の種類を表わした名称の兵器についても、表記統一のためMP40サブ・マシンガン、MG42マシンガンなどと、重複することになる表記とした。
 本書の中に使用した兵器の部品名称は、現在、日本の専門雑誌などで使用されている名称に準じた。日本の専門雑誌では、部品名称を英語名のカタカナ表示することが一般的であり、本書もそれに準じ、必要に応じて( )内に日本語名を併記してある。
 また、新訳の本書に使用したすべての写真は、長年訳者が撮影を続けてきた小火器の写真のコレクションのなかから選び出したものと、同じく訳者が長年集めてきた第二次世界大戦中に撮影された軍の写真コレクションから選び出されたものを新たに使った。
 そのため、写真のキャプションは、すべて訳者によって書かれたものであり、その文責はすべて訳者にある。
 本書は、原作者も言っているように第二次世界大戦で使用されたすべての小火器をカバーしているわけではない。しかし、とくにヨーロッパ戦線で使用された主要な兵器はほとんど本書に取り上げられている。

 なお、原書は一九七二年にサンケイ新聞社出版局より『拳銃・小銃・機関銃』(小野佐吉郎訳)として出版されたが、今回訳出するにあたり参考にさせていただいた。

ジョン・ウィークス(JOHN WEEKS)
軍人の家庭に育ち、自身も英陸軍パラシュート連隊に勤務の経歴をもつ。元陸軍中佐。英王立軍事大学歩兵兵器科の教官も勤め、多数の軍事雑誌に寄稿。軍事関連の著書も多い。

床井雅美(とこい・まさみ)
1946年、東京生まれ。デュッセルドルフ(ドイツ)と東京に事務所を持ち、軍用兵器の取材を長年つづける。とくに陸戦兵器の研究には定評があり、世界的権威として知られる。現在、ワシントンにある小火器国際研究所(IRSAIS)常任アドバイザー。専門雑誌に寄稿する一方、小火器に関する書籍を数多く出版。主な著書に『最新軍用銃事典』(並木書房)、『世界の小火器』(ゴマ書房)、『M16ライフルファミリー』『AK47ファミリー』(大日本絵画)、『アンダーグラウンド・ウェポン』(日本出版社)、ピクトリアルIDシリーズ『最新ピストル図鑑』『ベレッタ・ストーリー』『最新サブ・マシンガン図鑑』(徳間文庫)がある。近刊として『最新歩兵武器事典』(並木書房)を予定。