はじめに
本書は、爆発物・生物兵器・化学兵器・核兵器などの攻撃に対し、私たち一般市民がどのように身を守ったらよいのか、できるだけ具体的な対策手段をコミックでまとめたものです。
現在の日本で一般市民を対象にした殺傷兵器が無差別に、しかも大規模に使われる状況など、あまりに想像しにくいかもしれません。しかし決して夢物語ではないのです。
北朝鮮が多くの弾道ミサイルをわが国に向けているのは周知の事実ですし、しかも大量破壊兵器の保有を公然と認めています。
さらに国際テロリストからは、自由主義陣営の中の弱き鎖として日本が狙われる可能性もあります。9・11テロ以降、各国でテロリズムへの対応が従来よりずっと厳しくなりましたが、それでもテロ事件は世界中で続き、2006年8月に英国で摘発された旅客機同時爆破テロ計画からわかるように、大型テロ作戦も止むことを知りません。
私たちが日々の平穏な生活を望むのと同じように、紛争や戦争、そして市民のパニックを望む人々が世界には少なからず存在することを認識すべきでしょう。彼らが口先の脅しだけでなく、実際の攻撃を仕掛けてこないとは誰も断言できないのです。
「平和を欲する者は戦いに備えよ」という格言があります。国家やテロリストによる精神的・物理的な攻撃を受けた際、私たちが被害を可能な限り低くし、動揺と混乱を防ぐには、日々の心構えと適切な知識で対抗するしかないのです。
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