立ち読み   戻る  

●目 次
著者まえがき
第1章 SASに入隊する
第2章・武器の取扱い
第3章・爆破とサボタージュ
第4章・対テロリスト戦術
第5章・四人チームで戦う
第6章・無音殺人テクニック
第7章・医療技術
第8章・治安維持任務
第9章・敵を監視する
第10章・通信および無線テクニック
第11章・敵戦線の後方で
第12章・敵の目を逃れて
第13章・敵対的な環境で活動する
第14章・スペシャリストの潜入手段
第15章・ブービートラップ


●著者まえがき
この本は、イギリス陸軍特殊空挺部隊SASが作戦で用いている戦闘術を解説したものである。SASの活動は多岐にわたっている。あるときは一九九一年の湾岸戦争のように敵戦線の後方に潜入し、またあるときは一九八○年のイラン大使館人質事件のように武装テロリストの手から人質を救出するため、建物や航空機に強行突入を行なう。
 本書では、各章ごとにさまざまな戦闘術をとりあげているが、その章の数自体がSAS連隊の保持する戦闘術の多様さを示している。
 本書を読みすすむにつれ、SAS連隊がこうした多くの戦闘術を世界じゅうの戦場でどのように活用してきたかが理解できるだろう。
 SASは五〇年前に北アフリカの砂漠で創設された。それいらい、SASは多くの戦いに参加し、かならずといっていいほど勝利をおさめてきた。戦場の条件も多種多様で、しばしば驚異的な悪条件下で戦わねばならなかったにもかかわらず、SASの隊員たちは勝利をかさねてきた。
 その理由は、SAS隊員がスーパーマンだったからではない。ハイテク装備や最新鋭兵器を利用することができたためでもない。
 もちろん、SASはそうした兵器類を手に入れることができるが、それよりも勝利の要因は、個々の隊員が受けている広範囲で徹底した訓練にある。
 隊員たちは戦争のあらゆる方面について訓練を受けているだけでなく、任務の遂行に必要な肉体的精神的強靱さを持っている。
 なぜなら、SASの成功の基礎は、過去においても未来においても、それぞれの隊員自体にあるからだ。勝利をおさめるのは彼らだ――なぜなら彼らはしばしば信じがたいほどの苦境に対して、自分の命を賭けて挑戦するからである。その彼らに本書を捧げたい。
マイク・ロビンソン