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●目 次

 はじめに
 第1章 シティー・サバイバルの基本

   サバイバーたれ! 
   危険を最小限に抑える  
   健康を管理する  
   都市用サバイバル・キット  

 第2章 セキュリティを確保する   
 
  セーフ&セキュリティ 
   緊急事態、泥棒がいる!  
   自宅のセキュリティ  
   すべての窓に鍵をつける  
   警報システム  
   外出時の防犯テクニック  
   帰宅時に気をつけること  
   職場のセキュリティ  
   従業員のチェック  
   警備に金を惜しまない  
   金庫と金庫室の警備  
   産業スパイ対策  
   コンピューター対策  
   自動車、バイクの盗難対策 
 
 第3章 セルフ・ディフェンス    

   合法的なセルフ・ディフェンス  
   過剰防衛と正当防衛  
   警察官との接し方  
   家宅捜査を受ける  
   証人になる  
   暴力から身を守る  
   家で襲われた場合  
   鍵を取り替えるタイミング  
   いたずら電話対策  
   ひとりで外出する場合  
   運転中のセキュリティ対策  
   強盗に襲われたら 
   ひったくり、置き引き  
   スリの被害を避ける  
   強姦から身を守る  
   実戦的なセルフ・ディフェンス  
   格闘技をマスターする  
   準備運動を忘れない 
   暴力を避ける  
   武器を携帯しない  
   攻撃部所  
   自分の身体を武器にする  
   使える物は何でも使え  
   基本的な構え方 
   護身のテクニック 
   エルボー・ストライク  
   つかまれた時の逃げ方 
   効果的な蹴り技  
   ナイフに対するディフェンス 
   銃に対するディフェンス 

 第4章 毒物から身を守る     
   
   化学製品の中毒を防ぐ 
   危険を知る  
   アルコールの危険  
   危険の種類  
   中毒の種類 
   安全に保管する  
   急性中毒に対処する  
   有害物質から身を守る  
   台所にある危険物  
   浴室、トイレの危険物 
   医薬品に注意する  
   処方箋の薬  
   危険な家庭化学薬品  
   殺虫剤と除草剤  

 第5章 火災から身を守る
      
   防火装置と訓練  
   火災報知機を設置する 
   消火器の使い方を知っておく  
   避難訓練を実施する  
   自宅でやる防火対策  
   火災発生! 
   自宅での火災  
   火災から脱出する!  
   飛び降りる  

 第6章 安全な移動と海外旅行術
   
   ドライビング・テクニック 
   車の運転  
   ディフェンシブ・ドライビング 
   車がスリップしたら  
   故障に備える  
   事故が起きたら  
   オートバイの事故を防ぐ  
   自転車事故を避ける  
   公共の交通機関を利用する 
   エレベーターに注意する  
   エレベーターに閉じこめられたら  
   エスカレーター  
   海外旅行のサバイバル 
   旅行の準備  
   出発前にすること  
   パッキング(荷造り) 
   旅行用の救急キット 
   到着後のサバイバル  
   現地の気候に順応する  

 第7章 レジャーを安全に楽しむ 

   日常生活を快適に過ごす 
   テレビの近くに座らない  
   大きな音で音楽を聴かない 
   バーベキューを楽しむ  
   スポーツ観戦  
   釣りを楽しむ  
   安全な遊び場  
   打ち上げ花火に注意  
   スポーツに参加する 
   筋力トレーニング  
   スタミナをつける  
   柔軟性を高める  
   整理体操を忘れない  
   女性とスポーツ  

 第8章 テロリズム対策      

   テロリストの脅威  
   爆弾を探知する  
   ハイジャックと誘拐  
   銃撃戦に巻き込まれたら 
   強盗に対処する  
   テロの危険と戦う  
   防弾対策  

 第9章 自然災害を乗り切る 

   自然災害からのサバイバル 
   大地震に備える  
   火山の噴火に対処する  
   ハリケーンに備える  
   竜巻から身を守る  
   洪水の危険に対処する  
   落雷から身を守る 
   干ばつからのサバイバル  
   大寒波に備える 

 第10章 人命を救え! 

   応急処置法を知っておく
   ファースト・エイド 
   人工呼吸をする
   心臓マッサージをする
   窒息状況(無意識の患者)
   窒息状況(意識のある患者)
   大量の出血を処置する
   ショック状態 
   心臓発作 
   脳いっ血 
   ヤケド 
   回復のポジション
   背骨と首のケガ 
   頭のケガ
   胸部のケガ 
   溺れた患者を助ける


●はじめに

 私の最初の著作『SASサバイバル・ハンドブック』では、自然の中でのサバイバルの技術を扱った。そのため読者は、都市環境における危険と問題に、私が関心を寄せたことに驚かれるかも知れない。
 失業と高い生活費は、深刻な社会問題の要因となった。ロンドン、ニューヨークその他の大都市の路上で生活するホームレスたちの存在は、都市生活が人々に与えるストレスを如実に現している。とくに田舎から出てきた者にとって、都市はジャングルと同じなのだ。
 都市生活者は、日常、家で起きる小さな事故から強盗、テロまで様々な危険にさらされて暮らしている。個人的な問題に加えて、それらの危険に対処せねばならないのである。
 兵士として過ごした27年間、私は家に帰ってリラックスするのが楽しみだった。家は安全と思っていたが、とんだ間違いだった。ある時、4ヵ月の激戦から無傷で帰還した。ところが家に帰って2分もしないうちに、台所で立ち上がった拍子に戸棚に頭をぶつけて深い切り傷を負ってしまったのである。私が都市生活の危険について考え始めたのは、この事故のあとだった。毎年、交通事故で死ぬ人間よりも、家の中で起きる事故で死ぬ者の方が多いのだ。もちろんアウトドアでの死者数より断然多い。
 家には、火、電気、水、ガス、鋭利なナイフ、電動工具、毒物、化学製品と大事故の原因となるものがすべて揃っている。自然環境の中では、ふたつの危険に同時に対処せねばならないことは稀だ。また家には、子供から老人まであらゆる年令層の人間がいる。私は7人の子供がいるが、彼らが家のみならず学校や街頭でさらされている危険を見てきた。
 身の安全を守るには、普通、常識で考え、基本的なルールに従えばよい。精神にストレスがかかっていなければ簡単なことだ。だが見知らぬ場所にいたり脅迫されているような場合、判断力は鈍ってしまうだろう。学校や仕事に遅れそうな時には、鍵をかけるのを忘れたり、近道するため危険な場所を通るかも知れない。危険を冒しているか判断し、どうするか素早く決断できるようにならねばならない。
 都市では時間は矢のように過ぎていく。都市は、我々人間が創ったものだ。都市生活を楽しみたければ、その危険を知らねばならない。大自然でのサバイバルに必要なマインド・セットが、都市のサバイバルにも、そのまま当てはまる。本書が『SASシティー・サバイバル』と題されたのはこのためだ。
 本書の執筆を勧めてくれたハービル社のクリストファー・マクレホース氏、そして執筆に協力してくれたトニー・スパルディング氏、また情報集めを助けてくれた人々と基本的なサバイバル技術を共に学んだ友人たちに感謝したい。そして私の家族。彼らの身の安全を心配し始めたことで、私は都市ジャングルの危険に気づいたのである。
 ヘリフォードにて ジョン・ロフティー・ワイズマン

●JOHN‘LOFTY’WISEMAN
英国特殊部隊SAS(スペシャル・エア・サ−ビス)に26年間在隊。その間、アラビア半島東端のオマ−ンの砂漠地帯から、ボルネオの密林、ノルウェ−の極地圏まで、世界中の全く異なる環境下で、訓練および実戦の経験を持つ。それらの特殊な環境下での生活体験をもとに、在隊中は、同部隊のサバイバル主任指導教官を務める。退役後は、英国でサバイバル・スク−ルを開設。86年、SASのサバイバル技術を集大成した『SASサバイバル・ハンドブック』を出版、ベストセラーとなる。

●河合洋一郎(かわい よういちろう)
1960年生まれ。77年交換留学生として渡米。79年アイダホ州ボイズィ州立大学入学。国際関係論専攻。85年卒業。現在、世界の諜報活動や犯罪組織(マフィア)の実態に迫るレポートを多数発表し、注目を集める。訳書に『ザ・ワイルドギース』(並木書房)がある。