目 次
はじめに 1
第1章 危機になす術なし──1990年代日本の現実 11
1 激震、湾岸戦争 11
「同盟漂流」への道/「人的貢献」なす術なし/「小切手外交」の限界を露呈
2 「一国平和主義」はなぜ生まれた 29
軍に対する嫌悪が戦後の原点/目に見えない分断国家/「安保ただ乗り」への批判
3 綱渡りの国際協力活動 40
海を渡った海自掃海部隊/不毛な論争再び/人権無視の「人間の盾」作戦/根拠のない
「機関銃1丁」の決定/相次ぐ緊急出動、その時自衛隊は/機会逸した憲法9条の解釈変更
▼第1章を理解するためのクロノロジー 72
第2章 激変する安保情勢と日本の無策──90年代の危うい日米同盟 79
1 目的を見失った日米同盟 79
米国で高まる対日脅威論/勃発した日米「FSX」戦争/ 露骨な対日警戒感と同盟漂
流/日米「冷戦後戦略」の応酬と波紋
2 「危機」に何もせず、何もできない日本 98
第1次北朝鮮核危機/核危機と日本の対応/朝鮮半島危機の本当の意味/無知と無策が被
害を拡げた阪神大震災
3 軸足のない冷戦後の防衛政策 118
「同盟漂流」救った北の核危機/防衛大綱に隠されたトリック/台湾海峡危機に無反応な
政府/「集団的自衛権」行使できずに批判/テポドンショック/工作船事件で海上警備行
動発令
▼第2章を理解するためのクロノロジー 143
第3章 迫る危機、追われる日本──2000年代日本の現実 151
1 「普通の国」への試行錯誤 151
ようやく有事法制に着手/現実無視の反対勢力/対テロ・ゲリラに舵を切る自衛隊
2 「9・11」テロの衝撃 166
「湾岸」の轍を踏むな/戦地への自衛隊派遣/派遣の大義をめぐって
3 核とミサイル─決断は1分 186
北朝鮮ミサイル連射と核実験/容易ではない敵基地攻撃/ミサイル防衛の現状と課題/見
過ごされた落とし穴
4 巨龍(中国)出現、東シナ海波高し 210
揺れる日米同盟/忍び寄る中国の脅威/中国軍の増強と尖閣奪取の狙い/貧弱な離島防衛
態勢/尖閣諸島で増長する中国/対中脅威をめぐる日米の連携/尖閣諸島を守る
▼第3章を理解するためのクロノロジー 243
第4章 危機の壁──問題山積の2010年代 252
1 核の脅威 253
核武装の悪夢/北朝鮮の狙い/課題@:BMD能力の向上/課題A:重要施設防護/課題
B:自国民保護の秘策
2 東シナ海攻防戦 272
常態化した挑発/日中衝突の予兆/中国の狡猾な狙い/課題@:離島警備隊の新編/ 課
題A:脆弱な輸送・機動力/課題B:危うい国民保護
3 同盟の行方 302
米国を「巻き込む」戦略の構築/米国の期待と失望/安保法制の成立/「反対と怒号」を
超えて
▼第4章を理解するためのクロノロジー 319
終章 これからの安全保障──トランプ大統領と日米同盟 324
1 最前線はいま 324
沖縄・石垣島/東シナ海/日中中間線・ガス田/警戒監視とスクランブル/空でも始まっ
た中国の挑発
2 トランプ大統領と日米同盟 338
トランプ発言と拡がる動揺/「駐留経費」は何のためか/世界の警察官ではない
3 日本の針路(あとがきにかえて)345
トランプ政権発足
勝股秀通(かつまた・ひでみち)
日本大学危機管理学部教授。専門は防衛・安全保障と危機管理。1958年千葉県生まれ。青山学院大学卒業後、83年読売新聞社に入社。北海道支社などを経て東京本社社会部勤務、93年から防衛庁・自衛隊を担当。その後、初の民間人として防衛大学校総合安全保障研究科(第1期生)で修士号取得。解説部長兼論説委員、編集委員などを経て2016年4月から現職。著書は『自衛隊、動く』(ウェッジ)など。 |