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目 次 はじめに 1 序章 変貌する世界 30 連続より変化 32 第1章 グローバル化する経済 39 バック・トゥ・ザ・フューチャー(未来への帰還)40 第2章 人口動態が奏でる不協和音 57 同時に起こる人口増加、減少、そして多様化 57 第3章 新たなプレーヤー 71 台頭する有力国──中国とインド 73 グローバル・シナリオT:欧米抜きの世界 88 第4章 豊かさのなかでの不足 95 ポスト石油時代の始まり? 97 グローバル・シナリオU:オクトーバー・サプライズ 119 第5章 高まる紛争の可能性 126 2025年までに不安定の弧は縮小するか? 127 グローバル・シナリオV:BRICsの崩壊 152 第6章 難局に直面する国際システム 159 多国間(協調)主義のない多極化 160 グローバル・シナリオW:政治は常に局所的とは限らない 174 第7章 多極化世界における権力分有 178 米国の指導力は依然として強く要求されるが、その能力は 訳者あとがき 192
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米国においては、ホワイトハウスの国家安全保障戦略から個々の執行部局ごとの各種戦略に至るまで、体系的にさまざまな戦略が策定され、それらの大半の概要は公開されている。 「Global Trends 2025」の特徴は他のシリーズではなかったシナリオを提示していることである。これらのシナリオは、グローバル化や気候変動をはじめとする世界の変化を促進する要因となる事象がさまざまに影響しあい、今後の政策にチャレンジをもたらすような状況が例示されている。全体を通して、本書は実際に将来起こるであろう事象の予測というよりは、それを方向づける可能性のある要因を提示するものとなっている。 本レポートに最初に接した際に、海軍戦略を中心とした軍事情勢分析を主たる業務とするCNSの訳者たちにとっては、本レポート内の軍事情勢分析、とりわけ日本に関連するそれは、質・量ともに取り立てて注目するに値しないと感じたものだった。しかし、本レポートは東アジア地域の安全保障や軍事情勢に特化したものではなく、米国の国家戦略策定に際しての全地球的規模でのあらゆる諸事象に関する長期的展望を概説したものであるため、むしろ米国政府が「どの地域」あるいは「いかなる問題」に重点的に対応していくのかを垣間見るには、まさにうってつけのレポートであることが読めば読むほど納得できる。 北村愛子(きたむら・あいこ) 北村淳(きたむら・じゅん) Global Trends 2025 |