目 次
プロローグ││
三島由紀夫の現場に立つ 2
市ヶ谷台の現場はいま 2
批判、罵倒の嵐が過ぎて 5
飯沼勲の自決現場にようやくたどり着いた 7
第一部 海外の舞台 19
第一章 ギリシア 20
「ギリシア狂い」の淵源を探る 20
『アポロの杯』 23
アクロポリスに吹くギリシアの風 27
聖地デルフィ 30
第二章 バチカン 37
カーニバルの熱狂 37
リオでは謝肉祭をひたすら待った 39
太陽がいっぱい 41
古代ローマ人は名誉のために切腹した 46
第三章 パリ 49
最初のパリで陰鬱な冬をおくった 49
コクトーとラディゲ 52
フランス文学派と三島の距離 58
第四章 ニューヨーク 61
演劇好きの三島が芸術の都で発見した美と空虚 61
ブロードウェイでミュージカル 64
失意の中の待機生活 66
待たされても待たされても 70
またも立ち寄ったローマ 73
第五章 ニューオーリンズ 75
欲望という名の電車 75
「ヘミングウェイ記念館」の猫 81
第六章 ベナレス 85
人間は死んだらどこへ行くのか? 85
この世は仮の住まい 89
ベナレス再訪 96第七章 バンコックの暁の寺 100
ノーベル賞騒ぎ 100
暁の寺の小乗仏教の国でも政変 103
暁の寺で何かに憑かれる 107
哲学小説の難しさ 110
第八章 『癩王のテラス』の舞台は 113
三島とマルロオを結ぶアンコール・トム 113
ハラキリに震撼したマルロオ 117
共通する「死」への距離 121
恐ろしいほどの予言を残す 126
衝撃を受けたマルロオは義勇兵を決意 129
第九章 ふたたびインドへ 132
三島の旅に付随するマルロオ 132
第二部 国内の舞台へ 139
第十章 『豊饒の海』の現場を探る旅 140
美しき哉、『春の雪』の情景 140
月修寺のモデルは円照寺 143
『奔馬』の最終場面はどこか? 148
松枝邸は古河庭園、別荘は旧前田家 151
渋澤龍彦との友情 154
鎌倉文学館で 158
『金閣寺』に籠められた暗喩 163
妙心寺、南禅寺そして建勲神社へ 166
『金閣寺』に籠められた仏教思想 171
黄金岬と『獣の戯れ』 175
『剣』の颯爽男と葉隠武士道 177
『潮騒』の舞台は過疎化に直面 182
第十一章 その前夜と事件現場 185
決行前夜 185
詩を書く少年から 189
『古今集』へ還ろう 192
伝統回帰と天地を動かす業 197
六〇年安保騒動 200
七〇年安保≠ヨの異常な関心 204
自衛隊へ体験入隊 206
革命幻想 209
マイクを用いず、檄文は手書き 212補遺 「ローマ憂国忌」 217
日本におけるイタリア・ブーム 217
西洋の心理が分かるから 220
「先進国最悪」のイタリアから脱皮 222
フランスの三島理解はアモーレ? 224
特攻とテロが混同され始めた 230
ローマへいらっしゃい 232
驚くほどの盛況 237
イタリアの文化防衛論とは 241
戦後状況が日本と酷似 244エピローグ││天皇伝統と三島文学 247
女系天皇、皇室典範見直しと『文化防衛論』 247
三島の女性観をたどると…… 252
宮崎正弘(みやざき・まさひろ)
昭和21年金沢市に生まれる。早稲田大学英文科中退。『日本学生新聞』編集長、月刊『浪曼』企画室長をへて、昭和57年に『もう一つの資源戦争』(講談社)で論壇へ。以降、『日米先端特許戦争』『拉致』『テロリズムと世界宗教戦争』など問題作を矢継ぎ早に発表して注目を集める。中国ウォッチャーとしても知られ、『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ)『中国人を黙らせる50の方法』(徳間書店)『出身地でわかる中国人』(PHP新書)『中国よ、“反日”ありがとう』(清流出版)『中国のいま、3年後、5年後、10年後』(並木書房)など、そのうち数冊が中国語訳されている。本書は『三島由紀夫“以後”』(並木書房)『三島由紀夫はなぜ日本回帰したのか』(清流出版)につぐ三部作完結篇。
ホームページはhttp://www.nippon-nn.net/miyazaki/
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