『海軍式 戦う司令部の作り方─リーダー・チーム・意思決定』

「板子一枚下は地獄」といわれるような艦の上では、乗組員全員が力を合わせないと安全な航海はできません。このため、軍艦では艦長から水兵まで１人ひとりが持ち場を与えられており、艦長は自ら先頭に立って率先垂範し、乗組員は自分の持ち場を全力で守ることが求められました。このような軍艦ですから、敵と遭遇したり、被弾した自艦を救おうとする時の対応を決めるのに会議などは開きません。艦長の決断と乗組員のチームワークあるのみです。艦長のリーダーシップに運命共同体的な組織を強力に引っ張る力が求められるゆえんです。「海軍式」とはこのようなものであり、一艦においてのみならず、多くの艦を束ねる艦隊の司令官やそのスタッフ（幕僚）組織である司令部についても同じようなことがいえます。本書は、このような「海軍式」を踏まえて、「戦う司令部の作り方」と題して、リーダーシップの諸問題を「リーダー」「スタッフ組織」「意思決定の仕組み」という三つの観点から論じます。（著者の言葉）