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あとがき(一部) イラク復興支援任務での私の体験をできるだけ正確に綴った。 イラクでの任務を終えてどのくらい経った頃だろうか、イラク復興支援任務を終えて帰国した隊員が自ら命を絶つという出来事が何件か起きているという話を耳にした。正直、ショックというより戸惑いのほうが大きかった。その後も派遣隊員の自殺は増えているようだった。
目 次 まえがき 1 1 極限の先にあるもの 11 勇ましくありたいと思っていた/戦争が始まる……/イラク派遣を「熱望」 2 いつ「イラク行き」を打ち明けるか 17 火器車輌整備班に配属/各部隊、復興支援業務の訓練を開始/アイキュー(IQ)/ミニ・サマーワで総仕上げ/まっすぐ見られなかった父の顔 3 灼熱のイラクへ 27 隊旗授与/出発、それぞれの別れ/「さあ、次はクウェートだ」 4 クウェートに到着! 35 タイを経て灼熱の地、中東へ/キャンプ・バージニア 5 戦士たちの宴会 46 人気の5円玉──物々交換で交流/緑系迷彩服着用は自衛隊だけではなかった/カフェ「グリーン・ビーンズ・コーヒー」/広場に流れるバグパイプの音色 6 サマーワにようこそ! 55 炎天下での実弾射撃訓練/C‐130輸送機でイラクへ/「サマーワ宿営地にようこそ!」 7 タフな自衛隊装備 64 起床から就寝まで/砂や熱が原因の故障はほとんどなかった/頼りになる「整備小隊」 8 市民との交流で垣間見えた現実 71 近隣の小学校を訪問/招待された子供しか参加できない 9 イラク人委託業者にびっくり 78 これがトイレ清掃?/ゴミ回収業者の「噂」/日本語を話せる若者 10 サマーワ宿営地の食事事情 83 毎朝、白米と味噌汁を食べられる/いつでも冷水が飲めるありがたさ/イラク人の「差し入れ」/厨房内は室温70度以上─過酷な糧食班勤務/宿営地の嫌われ者 11 課業後の楽しみ 90 衛星携帯電話で家族に近況報告/入浴後はノンアルコールビールで乾杯! 12 サマーワの休日 96 全周を土嚢で囲んだ「コンテナハウス」/体力練成は欠かせない/足繁く通った「メール天幕」/私物のバリカンで散髪/サマーワ流洗濯法/完全な闇の中で就寝 13 工具を銃に持ち替え、物資輸送任務 105 緊張感が絶えないQRF要員/時速80キロで疾走するコンボイ/無事に「水輸送」を終えて 14 これは訓練ではない 111 コンボイが突然の停車/兵士失格だろうか?/「これは訓練じゃないでしょ」/何も起きなくてよかった…… 15 警戒勤務の長い夜 119 昼夜を問わず警戒/宿営地に近づく者 16 闇夜に響いた銃声 124 「戦場へようこそ」/ショックは後からやってくる 17 イラク戦争いまだ終わらず 128 破壊された友好モニュメント/ファルージャの大規模な掃討作戦 18 宿営地攻撃される 133 これはまぎれもない実戦だ/着弾に気づかなかった/「2303、弾着」/宿営地攻撃に訓練通りに対処できた 19 眠れない夜 140 視察官によるサマーワ視察/恐怖は後からやってきた/「新潟県中越地震」で原隊は災害派遣へ/コンテナを貫通したロケット弾/11月、撤収始まる 20 気のゆるみから断線事故 146 慈雨か涙雨か/「クレーンが上がったままだぞ!」/私を慰めてくれたヘリパイロット 21 部隊交代始まる 151 古代メソポタミアの遺跡を見学/4000年以上の歴史に思いを馳せる/3か月ぶりのキャンプ・バージニア/さよならパーティ、そして母国より援軍来たる 22 さらば、サマーワ 159 支援群長から記念メダル授与/クウェートで待っていたのは……/装備を返納し、休養/米精鋭部隊員とつかの間の交流/バスケットの「国際試合」に熱狂/クウェート大使公邸レセプション 23 クールダウン始まる 172 クウェート市内で観光、そしてホテルへ/滞在先は高級ホテル/これは休養?それとも収監?/現金盗難に遭う/祖国を侵略されるということ 24 短くも長い旅、終わりに近づく 181 帰国の途へ/母国の空/無事に降りられるのだろうか? 25「ただいま」189 帰還。皆が待つ青森駐屯地へ/「ただいま帰りました!」/3か月ぶりのわが家/アルコール恐るべし 26 派遣前の自分に戻っていく感覚 196 さらば第3次イラク復興支援群/幹部候補生試験の受験命令に困惑/戦車乗りはつぶしが効かない/迫られる決断──戦車教導隊か富士学校か 27 新たな道 204 厳しい職務。それでもやるしかなかった/12年の自衛隊生活にピリオド あとがき 210 伊藤 学(いとう・まなぶ) |