はじめに
この漫画の舞台は、2023年に設定されており、今後5〜10年後に登場すると思われる軍事技術を基本にしています。近未来戦のキーワードは、AI技術、ロボット技術、高速精密誘導技術、電子戦技術、サイバー戦技術、レールガン、レーザーガン、EMP/HPM爆弾、特殊作戦などです。これらは現在の戦闘様相を一変させる可能性を秘めており、その一例を描いています。
ストーリーは特殊部隊の活躍を中心に描いていますが、影の主人公はロボットたちです。とくにAIとそれを搭載した自律型ロボットは、この漫画で描かれているようにこれからの戦争の概念を変えるかもしれません。
戦場として選んだ南沙(スプラトリー)諸島は、台湾と並んで米中の軍事的緊張が発生しやすい場所であり、最新の軍事技術がしのぎを削る場所となっています。ここでのキーワードはA2AD、九段線などがあります。なお、用語の解説(※印)は巻末に掲載しています。
この漫画は、多くの軍事的知識なしには完成しませんでした。自衛官時代の自分の知識経験や資料からだけでは不十分で、多数の先輩、同僚、後輩をはじめとする自衛隊関係者からいろいろな意見を聞く必要がありました。一人ひとり名前をあげることはいたしませんが、皆さんに大変感謝しています。ありがとうございました。最後にいつも協力を惜しまなかった妻にも感謝いたします。
目 次
はじめに 1
第1話 発 端 5
第2話 潜 入 25
第3話 突 入 45
第4話 救 出 69
第5話 脱 出 91
第6話 ドッグファイト 115
第7話 対艦ミサイル 135
第8話 攻防戦 157
第9話 防空戦 177
第10話 死 闘 197
第11話 EMP攻撃 217
第12話 帰 還 237
用語解説 257
作者紹介
石原ヒロアキ(ペンネーム)1958年、宮城県石巻市生まれ。青山学院大学卒業後、陸上自衛隊入隊。第7化学防護隊長、第101化学防護隊長を歴任。その間地下鉄サリン事件、福島第1原発災害に出動。2014年退職(最終階級陸上自衛隊1等陸佐)。学生時代赤塚賞準入選の経験を活かし、戦争シミュレーション漫画『ブラックプリンセス魔鬼』および自衛官の日常を描いた『日の丸父さん』を発表(電子書籍で発売中)。『漫画で学ぶサイバー犯罪から身を守る30の知恵』(ラック サイバー・グリッド・ジャパン/並木書房)の漫画などを担当。本名:米倉宏晃。
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