日本の読者の皆さまへ
はじめまして。この本を手に取っていただけたのなら、空を飛ぶこと、F‐14トムキャット、もしくは映画『トップガン』にご興味があるのではないでしょうか。私たちは似た者どうしですね。私も同じことがたまらなく好きです。私は一〇歳のときにジェット戦闘機で飛行したいと思うようになりました。なにがきっかけになったかはわかりませんが、このことが私の頭から離れることはありませんでした。
私はとても幸運でした。少年時代の夢をかなえることができたのです。大空を駆けめぐることで、日々の生活は充実し、胸はときめき、仕事はやりがいのあるものになりました。アメリカ海軍は私を空へと送り出してくれただけではありません。日本へも連れて来てくれました。日本で過ごした二年半、私はさまざまな珍しい体験をしました。みなさんと一緒に作った思い出を私は決して忘れることはないでしょう。
この本では私がアメリカ海軍航空部隊で過ごした時間の前半をご紹介します。実話と、驚くような真実、思いがけない発見を、空にご興味がある方全員がお楽しみいただけると思います。
デイブ・バラネック
目 次
日本の読者の皆さまへ 1
はじめに 4
1 時速七〇〇マイルでの対決 『トップガン』飛行シーンの撮影 7
2「戦う反逆者」の仲間に 初めての実戦部隊と演習 24
3 空母コンステレーション 手に汗握る発着艦 41
4 戦闘開始 空中戦闘機動 69
5 ロケットに乗る F‐14トムキャットからの脱出 87
6 トップガンの流儀 トップガンに入校する 114
7 ワイルドカード ボギー、突如現れる 140
8 四カ月延長された洋上勤務 教官になることを考える 165
9 新人教官 独り立ちまでの長く厳しい道のり 175
10 トップガンの熾烈な戦い 学生と相まみえる 191
11 戦いへ向けて 教官としてさらなる挑戦 214
12 ハリウッドがやって来た 嬉しい知らせ 240
13 現実感あふれる映画に 編集作業に参加 271
14 封切りまでの日々 コルクが飛び出すまで 290
15 映画『トップガン』大ヒット 稲妻ととどろく雷鳴 302
16 ラストフライト トップガンからの離任 323
[インテル・ブリーフ1] 職名の意味するところ 23
[インテル・ブリーフ2] なぜF‐14にはRIOがいるのか? 62
[インテル・ブリーフ3] ペイント弾なしでの空中戦闘訓練 67
[インテル・ブリーフ4] 敵機をシミュレートする 137
[インテル・ブリーフ5] トップガンの由来と任務 173
用語集 336
訳者あとがき 343
デイブ“バイオ”バラネック(David“BIO”Baranek)
アメリカ合衆国海軍で20年勤務した航空士官。F-14飛行隊から勤務を開始し、エリートを養成するトップガンの教育に参加。のちに統合参謀本部や第7艦隊で勤務し、1999年に海軍を退役。現在はワシントン特別市で防衛関係の仕事についており、住まいはバージニア州バークにある。詳細はwww.TopGunBio.com
茂木作太郎(もぎ・さくたろう)
1970年東京都生まれ、千葉県育ち。17歳で渡米し、サウスカロライナ州立シタデル大学を卒業。海上自衛隊、スターバックスコーヒー、アップルコンピュータ勤務などを経て翻訳者。
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