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●目 次

序章 進歩し続ける軍用小火器

1 ピストル

  ベレッタM92F
  SIG/ザウエル
  H&K P7シリーズ
  グロック17
  ワルサーP1(P38) 
  FN HP
  PM(マカロフ)
  TT1930/30(トカレフ)
  Cz75 
  MAB M15 
  U.S. M1911A1 
  S&W M559   
  S&W M439  
  S&W M1006  
  S&W M3906  
  ルガーKP90  
  ステァーGB18  
  Vz52 
  MAS M1950(MAS)
  ワルサーP5 
  ワルサーP88 
  H&K P9S  
  スターM28   
  アストラA80
  リャマM82 
  バイエスター・モリナ 
  FN HP DA
  ベレッタM951 
  FN DA140 
  H&K VP70 
  Cz83 
  SIG/ザウエルP230
  FEG ワラム 
  68式拳銃 
  P64
  PSM 

2 ライフル

  H&K G11
  U.S. M16A2ライフル 
  U.S. M16ライフル
  AK74
  ステァーAUG
  L85A1
  FA MAS
  FNC
  SIG SG550 
  セトメ・モデロL
  89式小銃 
  HK G41 
  G3 
  HK33 
  FN FAL 
  Vz58 
  AK47 
  AKM 
  バルメRKm62
  M82バルメ・ブルパップ
  ガリルAR 
  ベレッタM70/90 
  64式小銃 
  CIS SAR80、SR88A
  StG57
  U.S. M14ライフル
  ストーナーM63
  AR18 
  ルガー・ミニ14 
  U.S. XM177 
  ストーナーM63カービン 
  AR18Sカービン
  GR2C、HK53 
  AKS74U 
  SKS
  Vz52 
  63式自動歩槍 
  U.S. M1ライフル
  BM59 

3 スナイパー・ライフル

  L96A1
  L42A1
  Vz54 
  FR-F1
  MSG90スナイパー・ライフル 
  ワルサーWA2000 
  ガリル・スナイパー・ライフル
  FNスナイパー・ライフル
  ベレッタ・スナイパー・ライフル
  ドラグノフ(SVD)
  FPK
  モーゼルM66SP
  ステァーSSG 
  AR15A2デルタH-BAR
  SIG/ザウエル SSG2000

4 サブ・マシンガン

  H&K MP5
  ウジSMG
  スターリング SMG
  ベレッタM12 SMG
  F1 SMG
  FMK3 Mod2 SMG
  ステァーM69 SMG
  Vz23、Vz25 
  マドセンM50 SMG 
  ホービアM49 SMG
  MAT M49 SMG
  フランキ・モデルLF57 SMG
  ベレッタM38/49 SMG
  スターモデルZ62 S
  スターモデルZ84 SMG
  m/45B SMG 
  U.S. M3 SMG
  トンプソン モデルM1 SMG
  64式サイレンサー SMG
  イングラムM10 
  Wz63
  Vz61
  ベレッタM93R
  VP70
  スチェッキン(APS)

5 マシンガン

  FN MAG
  MG3
  AA M52
  U.S. M60 MG
  PK
  SIG MG710 
  62式機関銃 
  Vz59 MG 
  67式 MG 
  HK21 MG 
  US M1919 MG
  マドセン・セッター MG 
  FN ミニミ 
  L86A1ライト・サポート・ウェポン 
  ウルティマックス100 LMG
  セトメ・アメリ
  RPK
  RPD 
  FN LAR
  ブレンL4A4 
  Vz52 LMG
  ベレッタAS M70/90 LMG

6 ショットガン

  HK512セルフ・ローディング・ショットガン
  HK/オリンCAW
  フランキーPA3ショットガン
  フランキーSPAS12 
  フランキーSPAS15
  ベレッタM3P
  ベルナルデリーB4-8ミリタリー・ポリス
  U.S. AS12コンバット・ショットガン
  モスバーグM500ブルパップ・ショットガン
  ハイスタンダードM10B
  ストライカー12ショットガン
  トラスティPM4ショットガン 

7 グレネード・ランチャー

  U.S. M79グレネード・ランチャー
  U.S. M203グレネード・ランチャー
  ハーリントン&リチャードソンSPIW
  40mm HKグレネード・ピストル
  HK TGSグレネード・ランチャー
  L85A1ライフル用グレネード・ランチャー
  PMK DGN60ライフル
  ツァスタバM70A
  GB15グレネード・ランチャー
  アーウェン37
  アーウェン・エース 
  ブリントンMP37
  エクスカリバーMk2
  アームスコー40mm MGL
  CIS40GL
  U.S. Mk19 Mod3 オートマチック・グレネード・ランチャー
  AGS17
  SB40LAG
  タイプW87 オートマチック・グレネード・ランチャー
  CIS40AGL

銃器名称別索引
国別銃器索引


●序章 進歩し続ける軍用小火器

 接近戦闘の最も重要な兵器
 現代の兵器は、進歩する科学テクノロジーをいち早く取り入れて、高度にハイテク化したものが多い。兵器のハイテク化は、航空機に始まり、ミサイルへと進み、現在では軍用艦船、戦車、そして大砲でさえコンピューターと連動して運用されるまでになった。
 そうしたなかで、陸上部隊の最も身近な、そして最も大量に装備されている小火器、つまりピストルやライフル、マシンガンなどは、最もローテクの兵器と言える。
 先の湾岸戦争で見ても明らかなように、たとえピン・ポイントで爆撃や攻撃が可能なハイテク兵器を投入しても、戦闘の最終段階では、小火器というローテク兵器に頼らざるを得ない側面がある。
 小火器は、現代軍が使用する兵器の中で最も旧式の兵器でありながら、各兵士が持ち運べる対人武器として、最もコストパーフォーマンスの良い点が評価されて現在もなお使用しつづけられているのだ。
 言い換えると、ターゲットが高価な戦闘機や戦車ならミサイルのコストに見合い、兵員の密集地点なら砲弾のコストに見合うが、ミサイルや砲弾は1人の兵士を倒すには高価すぎるのだ。現実の戦場で、兵員1人を倒すために消費される弾薬は、驚くほどの数になる。しかし、命中さえすれば、小火器の弾丸は最も安価な攻撃兵器である。
 そのため、小火器は、発明されて以来ずっと陸上戦の、とくに接近戦闘の中心的な兵器として存在してきた。
 そして現在、弾丸を発射する小火器に代わるものが出現しておらず、これからも小火器は、戦闘の最終段階での最も重要な兵器として生きつづけてゆくにちがいない。
 他の大型の兵器と異なり、サイズの限定された小火器は、ハイテク化しようにもサイズや重さの限界がありむずかしい。兵器の目的は、より大きな威力を持ち、より多くの戦場の状態に対応できることである。そのため古くから多くの銃器開発者たちが、オールパーポス(万能)で強力な小火器を設計してきた。しかし、それらの発明品の多くが量産されることなく、試作品は博物館の倉庫でほこりを集めることになった。
 確かに、兵器の理想は大きな威力を持ち、異なる状況下で使用できることである。しかし、同時に小火器は、兵士という人間1人が楽に持ち運べ、発射できなくては意味がない。大きな威力を持つ小火器であっても重く、かさばり、戦闘に入る以前に兵士を疲労させてしまったり、大きな射撃反動が戦闘下での疲労を激しくするのでは、兵器として失格である。
 オールパーポス(万能)小火器として発明されたものの多くが、こういったことで失敗している。

 基本メカニズムはすでに完成している
 ローテク兵器といっても小火器は、時代時代で、それなりの進歩をとげてきたし、現在も進歩しつつある。
 だが、プロペラ機がジェット機になるような劇的な変化は、今のところ見られない。
 というのも小火器の劇的な変化発展はすでに過去に終わってしまっているからだ。簡単な先込めで火縄式だったライフルは、火打ち石で発火させるフリントロック式になり、そしてより取り扱いの楽な雷管で発火するパーカッション式へと発展した。
 同時に先込め式だった弾丸と発射薬の装填方法は、より低い姿勢でしかもすばやく装填できる後装式(元込め式)が考案された。
 さらに弾丸と発射薬そして雷管をチューブで一体化させた薬莢式が発明される。同じ頃、高い初速が得られる無煙火薬の発明により、大きく重い弾丸でなくとも軽く小さな弾丸で、十分な殺傷力が得られるようになった。
 薬莢の発明は、後装式ライフルをさらに完成度の高いものとし、無煙火薬が弾薬を軽量化したことで、連発式ライフルが、より実用的になった。
 さらにはじめ手動式だった連発ライフルは、発射時のガス圧を利用する自動装填式(セミ・オートマチック)ライフルへと発展していった。
 これら一連の小火器の進歩発展は、20世紀に入る以前の19世紀の段階で完成されていたのだ。
 現在使用されている小火器の多くの製品の基本的な作動原理、メカニズムは、第2次世界大戦(1939年〜1945年)の終わりまでに完成されたり、試作されていたものとほとんど変わりないのが現状だ。


 新素材を用いた新小火器の出現
 では、現代の小火器の改良や発展は、どのように進められているのだろうか。
 それは、大きく分けると3つの分野で行なわれている。
 1つは、小火器を構成する材質の改良である。もともとスチールとクルミ材が多用されていた小火器だが、現在では次々に出現する新素材が大幅に取り入れられている。
 クルミ材だったストック部分は、現在多くがプラスチックに置き換えられている。さらにプラスチックは、ピストルのグリップ・フレームや、一部のライフルではトリガーやハンマーなどの撃発メカニズムにさえ利用されている。
 材質の変更は、プラスチックにとどまらない、強度を持たせるため特殊鉄合金を利用したり、軽量化のためにアルミニューム合金を利用したり、また少ない手入れメンテナンスでもサビにくいステンレス・スチールの利用なども新素材を採用したケースである。
 最近新しいプラスチックの開発や鉄合金、軽合金の開発は、ますます盛んであり、新しい特性を持つ素材が発明されれば、それらを取り入れた新しい形の小火器が開発されて行くだろう。

 大量生産を可能にしたハイテク技術
 もう1つの改良・発展の方向は、小火器の製造テクニックである。
 小火器、とくにこの本で取り上げた軍用の小火器は、短期間に大量に生産できることも重要な性能となる。戦争に突入すれば、一気に大量の動員された兵士の武装用として必要となるからだ。
 大量生産向きであり、短期間で生産できることは、平時においても重要だ。安く大量に生産できるということは、より少ないコストで整備でき、また短期間で全軍を武装できるからだ。いかに新型といえども、生産に手間取り、コストが高く、全軍装備に時間がかかるのでは、全軍装備になったときにはすでに旧式化しているということになりかねない。
 そこで現代の小火器製造には、省力化と生産コスト軽減の大きな努力が払われている。
 製造技術として、新しく省力化に最も役立っているのが、コンピューターで制御して切削加工を行なう、NCマシンの導入だ。NCマシンは、プログラムされた複雑な形を正確に削り出して行く。
 また、各部品を安価に製造する技術として、ロストワックス(精密鋳造法)やダイカスト工法も広く利用されている。
 これらは切削加工を前提とした部品製造の省力工法だが、全く別の省力工法も広く利用されている。それがプレス加工だ。
 プレス加工は、薄いスチール板を打ち抜き、これをプレスして成型する工法である。
 部品の製造の中で小火器の性能にとって一番重要な部分が、バレル(銃身)の製造工程だ。もともとは素材に穴を空け、内部を磨き上げて、ブローチと呼ばれる刃物でライフリング(回転溝)を切っていた。バレル製造は細かい注意を必要とする、手間のかかる工程だった。
 しかし現在では、バレル素材の中にライフリングの雄型を入れ、外部の3方向からハンマーで叩いて、一気にチャンバー(薬室)まで加工できるコールドハンマー・マシンができて、大幅な省力化が達成できた。コールドハンマー・マシンの出現により、従来はむずかしかったポリゴナル・ライフリング・バレル等も、簡単に製造できるようになった。
 こうした生産技術面には、現代のハイテクがさまざまに取り入れられている。新しい製造技術が取り入れられると、その製造技術に適した形態をもつ小火器が、設計されることになる。現代の小火器の多くが、直線的なデザインでまとめられているのも、それがNCマシンで最も効率よく加工できるからに他ならない。また軽合金が多用されるのも、単に軽量化のためだけでなく、機械の切削加工時間も短縮できるからなのだ。
 コンピューターは、加工機械だけでなく、新しい小火器を設計する際にも、大きな働きをする。従来は設計された銃の試作品を作り、試射をして部品強度等をテストしていた。しかし現在では、コンピューターの画面上で金属ストレスのシミュレーションが可能になり、試作品を製作する以前の弱点の改良さえ可能となっている。

 全く新しいレーザー・ライフルの研究
 現代小火器の改良・発展を方向づけている3つ目は、小火器を使用する作戦の多様化だ。
 第2次世界大戦後、小火器は整理統合され、ピストル、ライフルそしてマシンガンにまとめられる方向を示した。しかしベトナム戦争やアフガニスタン戦争を経験したアメリカやロシア(旧ソビエト)は、再びそれぞれの作戦や任務に適した細分化された兵器体系に戻りつつある。
 さらに凶悪化する都市犯罪やテロに対抗するため、特殊な小火器、例えばサイレンサー付きのサブ・マシンガンや小型のピストルサイズのサブ・マシンガン、高性能スナイパー・ライフル(狙撃銃)、非致死性の対暴徒用火器が出現した。
 また現代戦が多様化し、湾岸戦争でもクローズアップされたように、現代歩兵には夜戦能力も求められるようになった。その結果、一般歩兵の持つライフルやマシンガンに、暗視スコープを取り付けられることが、性能として求められるようになった。
 さらに現在アメリカでは、特殊部隊用として暗視ゴーグルをしたままで照準・射撃できるレーザー・モジュール付のサイレンサー・ピストルや、ライフルとショットガンを組合わせた銃器がテストされている。
 加えて、東西冷戦終結の影響で、とくに第三世界での紛争が頻発している。これらの紛争地帯への国連軍の出動は、これからますます増加して行く。しかし出動した国連軍が紛争を鎮静化するために、無闇に実弾を発射することはできない。このジレンマを解決するために、非致死性で相手の攻撃をストップできる、新しいタイプの小火器が現在各国で研究されている。
 最も新しいコンセプトとして注目されたドイツのケースレス(無薬莢)ライフルG11は、コスト面と構造の複雑さの割にメリットが少なく、量産されそうにない。
 代わって現在注目されているのが、アメリカで試作されているレーザー・ライフルだ。このレーザー・ライフルは、まだ試作の初期の段階だが、弾丸の代わりに強力なレーザー光線を発射してターゲットを倒す。この新しい兵器がジュネーブ条約に違反しないのか、また本当に実用化できるのか、クリアーすべき問題は多い。
 このレーザー・ライフルが実用化されたなら、もはや小火器という従来の兵器区分では区別できず、光学兵器の範ちゅうに属するのかも知れない。


●あとがき

 この本の企画が立てられてから、もうずいぶんの年月が経過してしまった。企画が進行中に湾岸戦争が起こり、そして冷戦終結後の社会主義国の変動、地域紛争が激化してしまったことも大きな原因で、出版が大幅に遅れてしまい、多くの方々にご迷惑をおかけしたことをまずお詫びしたい。
 この本は、現代の世界各国が使用している軍用制式小火器である、ピストル、ライフル、サブ・マシンガン、マシンガンを中心にビジュアルにまとめた、レファレンス・ブックである。
 内容として、基本的なこれらの兵器を中心としているが、最近再び兵器体系が細分化する方向にあり、またこれらの範ちゅうに納まらない、グレネード・ランチャーや特殊な軍用のショットガンが一般的になりつつあるので、それらを狙撃専用のスナイパー・ライフルと共に収録した。
 この本に基本的に収録されているのは、軍用を目的に開発されたり、軍隊や特殊な対テロ警察などの重武装の組織で装備されている小火器が中心となっている。
 とくに大型ピストルなどでは、民間向けと軍用警察用の区分があまりはっきりしていないものがあり、あくまで代表的な製品を収録してある。
 収録されている小火器は、各国が現在制式として使用している製品が中心であるが、兵器メーカーが軍用として開発して輸出向けにしている製品や試作している製品も含まれている。また旧世代に属する製品でも、今なお第三世界で使用されている製品についてはできるだけ収録した。
 その理由は、この本が新聞・テレビのニュースなどに登場する小火器を識別するレファレンス・ブックとして計画されたからである。
 また各項目の中での配列は、類似の性格を持つ銃器を近くにまとめるよう努力した。類似の性格ということは、言葉を変えると同じ時代に開発された銃器ともいえる。
 類似の性格を持つ銃器を近くに並べてあるので、通して見てゆくと、ある種のデザイン上の類似性やスペックの類似性も発見できることと思う。
 ピストルやライフルなどの小火器は現代戦においてすでに時代後れの兵器だという意見もある。しかし筆者は決してそうは考えない。それはハイテク兵器の全てが注ぎ込まれた湾岸戦争でも戦闘の最後の局面では、各兵士が持つライフルやマシンガンが大変重要な働きをしたからだ。
 さらに東西対決の冷戦状態の終結により、これから起こる多くの地域紛争では、再び小火器が最も重要な兵器となる可能性が強い。
 すでに起こっている地域紛争へのヘルツゴビナ、ソマリア、旧ソビエト南部、そしてアフリカ中央部のルワンダなどにおいてその傾向が表われている。
 これらの紛争地帯では、紛争当事者、そして国連から派遣された部隊にとっても、小火器は以前にまして重要な兵器となりつつある。
 小火器に代わる革命的な個人装備の兵器が登場していないため、現在の小火器の多くは、21世紀になってもあまり姿を変えずに生き残ってゆくことと思う。
 この本では、各銃器の写真とスペック、そしてその銃器の解説で構成されている。ページが多く取ってある銃器は、基本的に重要で多くの国や組織で使用されているものと考えてもらうとよい。
 スペックは、生産国、口径、全長、重量などが表示されている。生産国は、あくまで原生産国で、ライセンスによって生産されているものなどについては本文解説を参照されたい。
 口径の表示は、NATOスタンダードの表示法をとった。この表示法は、弾薬の弾丸口径と薬莢の長さを表示する表示法である。
 例えば、7.62mm×39と表示されている弾薬は、口径が7.62mmで、全長39mmの薬莢に弾丸が装着されている。
 全長は、その銃器の最大長である。500/750mmと表示されたものは折りたたみ式で、折りたたんだときの長さと、伸ばしたときの長さが併記されている。
 銃身長は、基本的にバレル(銃身)先端からチャンバー(薬室)、後端、ボルト前面までを表示した。ただしレボルバー形式のものは回転するチャンバー部を除いた長さで表示してある。
 重量は、原則的にマガジンを取り付けて、弾薬を装填していない状態で計量してある。オプションで多くのマガジンがある場合、写真で示したものについての重量を表記した。装填弾数についても、これに準じている。
 弾丸の初速(飛行スピード)を表記しなかったのは、弾薬の製造メーカーの違いにより、大きな差がでるためである。
 各銃器の名称については、原生産国での制式名を重視する方向で記述した。そのため一見、不統一に見える結果となった。
 例えば「U.S. M60マシンガン」とドイツの「MG3」のケースがそれにあたる。ドイツと制式名MG3は、マシーネン・ゲベール3(マシンガン3型)を短縮したものなので、MG3マシンガンとは表記しなかった。多くのロシア(旧ソビエト)製兵器についても同様である。
 また国名についても少々断わっておきたい。ソビエトやユーゴスラビア、チェコ・スロバキアなどのように、自由化後、国が別れたケースでは、便宜的に旧○○○と表示した。一方、東西が統一したドイツや自由化後も地理的に変化していない国々は、そのまま通称で表記してある。


●床井雅美(とこい・まさみ)
1946年、東京都生まれ。デュッセルドルフ(ドイツ)と東京に事務所を持ち、軍用兵器の取材を長年続ける。とくに陸戦兵器の研究には定評があり、世界的権威として知られる。現在、ワシントンにある小火器国際研究所(IRSAIS)常任アドバイザー。専門雑誌に寄稿する一方、小火器に関する書籍が多数ある。主な著書に『世界の小火器』(ゴマ書房)、『M16ライフルファミリー』、『AK47ファミリー』(大日本絵画)、『アンダーグラウンド・ウェポン』(日本出版社)、ピクトリアルIDシリーズ『最新ピストル図鑑』、同『ベレッタ・ストーリー』(徳間文庫)などがある。