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●追加情報をお知らせします。

●仙石線に205系投入
11月5日から仙石線で205系の営業運転が始まった。11月末現在で上下42本が205系となった。この205系はE231系の導入で余剰となった山手線からの移籍車。一方、仙石線で従来使われていた103系は徐々に廃車される見込み。東北地区で唯一の103系も終焉が近い。(2002/11/22)

●100系「グランドひかり」引退
2階建て車両を4輛連結したJR西日本の100系が、11月23日のお別れ運転を最後に「グランドひかり」から引退。今後は編成を調整のうえ、「こだま」に使用される。(2002/11/22)

●JR北海道のキハ58系全廃
JR北海道のキハ58系はキハ56が保留車として残されていたが、2001年度で廃止。これでJR北海道のキハ58系は全廃となった。(2002/04/01)

●185系リニューアル完了
JR東日本の185系リニューアルが進み、2001年度中で人気のあった斜めストライプは見られなくなった。(2002/04/01)

●165系「シャトルマイハマ」引退
JR東日本の165系「シャトルマイハマ」(晩年は「アルファ」)が2001年度で廃止された。(2002/04/01)

●JR東海の165系・103系・キハ58系全廃
JR東海で保留車として残されていた165系・103系・キハ58系が2001年度で廃止。サロ165およびキロ28が各1輛ずつ残されているが、この3系列は全廃されたと言ってもよいだろう。(2002/04/01)

●JR西日本のキハ58系情報
京都総合運転所のキハ58系が2001年度ですべて保留車扱いになった。今後の非電化区間臨時列車はキハ181系を使用。小浜線では2003年春に電化予定で、同線のキハ58系活躍も秒読み。(2002/04/01)

●JR九州の50系情報
2001年10月で定期運用がなくなった筑豊地区の50系客車が2001年度で廃止された。「あそBOY」用の50系改造車は残るが、オリジナルの赤い50系客車は全廃と言ってもよい(JR北海道で赤色のオハフ51が1輛保留車として残っている)。(2002/04/01)

●ED62全廃
JR貨物で保留車となっていた2輛のED62が2001年度で廃止。ED62は形式消滅した。(2002/04/01)

●旧形国電情報
JR東日本のクモハ12、クモハ40は保留車扱い。JR東海のクモハ12は2001年度で廃止。JR西日本のクモハ42は小野田支線の定期運用がなくなったが車籍は健在で、今後もイベントなどに使用予定。(2002/04/01)

●キハ40系「きらきらみちのく」登場
下北・津軽地方をめぐる観光列車「きらきらみちのく」用としてキハ48を改造した3輛編成のジョイフルトレインが竣工。7月5日から営業運転開始。(2002/04/17)

●盛岡のキハ58系&キハ52が国鉄色に
JR東日本盛岡地区で活躍しているキハ58系が国鉄急行色、キハ52がツートンカラー(首都圏色のひとつ前のスタイル)に塗色変更された。(2002/05/01)

●12系「ふれあいみちのく」引退
JR東日本の「ふれあいみちのく」が5月12日の運転を最後に引退。同車は1986年に12系客車をお座敷列車改造したもの。(2002/05/12)

●「かいじ」から183系引退
7月1日からJR東日本の特急「かいじ」がすべてE257系で運転されるようになった。これにより中央本線で183系・189系を使う定期列車は「あずさ」の一部と「アルプス」のみとなった。残った「あずさ」運用も2002年中にE257系化予定。なお、国鉄特急色としたリバイバル編成もある。(2002/07/01)

●仙石線の103系情報
JR東日本郡山工場で行なわれている仙石線用103系の定期検査が8月6日で終了。今秋から順次205系に置き換えられていく模様。(2002/08/06)

●南武支線101系が予備化
101系最後の活躍場所となっていた南武線支線尻手〜浜川崎間で8月20日から205系の運転が始まった。この区間用に用意された205系は2編成で、当面は101系1編成が予備に残される。(2002/08/20)

●「加越」「しらさぎ」の485系引退
2003年春から485系で運転されている「加越」「しらさぎ」に683系が投入され、2003年秋までに全編成が683系化される予定。(2002/08/21)

●キハ80系「トマム・サホロエクスプレス」引退
JR北海道「トマム・サホロエクスプレス」は、10月半ばに引退予定。9月14日から旧塗色に塗り替えられ、10月5〜6日に札幌〜函館間、10月12日に札幌→函館間、10月13日に函館→駒ヶ岳→函館間、10月14日に函館→札幌間のお別れ運転が行なわれる。(2002/09/14)

●今秋リバイバル列車めじろ押し
JR東日本では国鉄型車輛を使ったリバイバル列車が各種運転される。10月4・5日の「ゆうづる1・2号」、11月2日の「思い出のはつかり号」、11月3日の「思い出のみちのく号」、11月30日の「さよならはつかり583系」はいずれも583系で運転。11月16・17日には上越新幹線開業20周年の185系「ときリレー号」、200系「とき」。このほか、在来線特急「あさま」、国鉄急行色に塗り替えた165系なども運転予定。(2002/09/10)

●JR西日本「こだま」に100系投入
10月5日のダイヤ改正から山陽新幹線「こだま」に短編成化された100系が投入され、所要時間が大幅に短縮される。0系「こだま」も若干残り、こちらは停車時間短縮で全体的なスピードアップをはかる予定。なお、100系短編成化で必要な先頭車は、主にJR東海からの購入でまかなわれている。JR東海では100系の廃車が進んでおり、来年度には全廃予定。(2002/09/10)

●14系&50系の普通客車列車全廃
現在、14系および50系客車で運転されている快速「海峡」は、12月1日から789系「スーパー白鳥」に変更されることになった。これによってJRの路線から普通客車列車は全廃となる。(2002/09/10)

○JR九州のキハ58系
2002年3月ダイヤ改正で長崎のキハ58系が引退。急行「くまがわ」および鹿児島近郊のみの運転になる模様。なお、長崎にいた旧国鉄色のキハ58系は廃車見込み。(2002/03/23)

○青梅・五日市線の103系引退
2002年3月ダイヤ改正で、青梅・五日市線で201系への置き換えが完了、103系が引退。4月13日にはさよなら運転が行われ、これがラストラン。(2002/04/13)

○首都圏の103系事情
首都圏では青梅・五日市線の201系化により、103系は京葉線(内房線・外房線への乗り入れもあり)、武蔵野線、常磐線、八高線、南武線、鶴見線などで運転されるだけとなった。常磐線はE231系投入、他線区は4月21日から始まった山手線へのE231系投入によって捻出される205系に置き換えられ、順次103系が淘汰されていく見込み。(2002/04/21)

○0系の車体色変更
JR西日本の0系が塗色変更されることになった。新塗装は「ひかりレールスター」と同じライトグリーンとダークグレーを基調にフレッシュグリーンのラインを配したもの。5月後半に1編成登場、2004年度末までに全編成を新塗装化予定。つまり、2004年度までは0系が活躍する見込み。(2002/05/01)

○常磐快速・成田線の103系がE231系に
2002年3月3日からJR東日本の常磐線快速・成田線で新型通勤形電車E231系が営業運転開始。2002年度中に50輛投入、その後も増備が続き、2003年度中に現行の103系280輛をすべて置き換える計画だ。(2002/02/22)

○165系「パノラマエクスプレスアルプス」復帰
JR東日本で引退した165系「パノラマエクスプレスアルプス」6両が富士急行に転身、2002年2月28日から大月〜河口湖間の「フジサン特急」として運転開始。塗色は富士山をあしらったものに変更されているが、パノラマ展望車などはそのまま残り、往年の姿をしのぶことができる。(2002/02/22)

○紀勢本線の165系引退
2002年3月23日のダイヤ改正で、紀勢本線の165系が引退。JR西日本和歌山支社では3月24日に白浜〜天王寺間で臨時快速「ありがとう165系号」を運転(白浜13時40分発、天王寺16時27分着)、これがラストランとなる。(2002/03/05)

○JR西日本の特急「はくたか」から485系引退
2002年3月23日のダイヤ改正で、特急「はくたか」のうち、JR西日本の485系が681系置き換えられる。これにより定期11往復のうち、1往復のみがJR東日本の485系、ほかは681系で運転されることになる。余剰となるJR西日本の485系はすべてリニューアル車のため、特急「加越」に転用、現在「加越」で使われている485系在来車が廃車される予定。(2002/03/05)

○中央本線の183系・189系がE257系に
2002年3月23日のダイヤ改正で、JR東日本の特急「あずさ」「かいじに」に新型特急電車E257系が増備投入され、総勢78輛に。年内にさらに76輛が投入され、2002年度中に183系・189系154輛をすべて置き換える計画だ。(2002/03/05)

○山手線に新型E231系500番台登場
JR東日本の山手線で活躍する205系の後継車E231系500番台の第1編成が1月に落成、2002年4月ごろから山手線に投入される予定。余剰となった205系は、武蔵野線・鶴見線・川越線・京葉線・仙石線・千葉以東の房総各線に投入され、101系・103系・113系を順次置き換えていく計画だ。(2002/03/05)

○山陽新幹線に6輛編成の100系登場
JR西日本の100系を6輛に組替えた編成が2002年1月に登場した。これは「こだま」に使われている0系の置き換え用で、0系の終焉が近づいた。(2002/03/05)

○JR東日本の14系座席車引退
JR東日本の尾久客車区に配置されている14系座席車は2002年3月で全30輛が引退。今後、首都圏地区の波動輸送は、E257系の増備で余剰となった183系・189系が対応する模様。(2002/03/05)


「まえがき」にかえて
 消えゆく国鉄型車輛

 今、国鉄型車輛が急速に消えつつある。
 ご存知の通り、現在、日本の鉄道の屋台骨として活躍しているJRは、かつては国有鉄道だった。1987年4月1日、日本国有鉄道の分割・民営化によって発足したのである。その経緯については、数多く報道されているので、ここでは割愛するが、僕の興味は国鉄時代に使われていた車輛たちにある。
 1970年ごろ、18万輛もあった国鉄の車輛は、合理化によって整理が進み、晩年では約6万4000輛になっていた。しかし、経営的にはこれでも余剰で、約2万輛は不用状態だった。
 JRは新たに発足したが、車輛などの設備は国鉄のものをそっくり引き継いだ。これだけの所帯とシステムを一気に作り上げることは不可能であり、これは当然の処置だった。こうして1987年4月1日にJR各社が引き継いだ車輛は、新幹線から貨車まで合わせて4万5567輛あった。
 なお、不用車輛は国鉄清算事業団が引き継ぎ、廃車処分された。

 JR発足後、各社では国鉄とは異なった「マイレール」意識を打ち出し、引き継いだ車輛の内外装を使用路線にふさわしい形に変えていった。もちろん、国鉄のオリジナル状態で使われたものもあるが、大半は内装などがリフレッシュされ、サービス向上がはかられていった。
 また、JR発足後、新たなサービスを提供するために、車輛の新製も行なわれている。新しい車輛が増えてくれば、余ってくるものもある。余剰車は社内で転属、さらには別の会社に譲渡されたものもあるが、多くは廃車の道をたどることになった。
 そして、当然のことながら、鉄道車輛には耐用年数もある。
 この計算には、物理的、経済的、陳腐的などいくつかの要素が加わり、しかも使用条件や保守の仕方によって異なっていくが、保守費と償却費の兼ね合いからすると、一般的には在来線車輛で20〜30年程度、新幹線車輛で15〜20年程度と言われている。
 国鉄晩年に登場した車輛はともかく、脂の乗り切った時代に引き継がれた車輛も、今となってはすでに使命を終えつつあるのだ。
 こうして2000年度末の統計時には、国鉄から引き継がれた車輛が1万7399輛(JRが新製した国鉄型車輛も含む)となっていた。このとき、JRの保有車輛数は3万8691輛なので、すでに半数を割っていることになる。

 国鉄型車輛は、日本全国での使用を視野に入れ、設計・製造されてきた。その結果、非常に汎用性の高い車輛になった。
 また、運用すべき範囲が広いため、各車種ごとの輛数も多い。いかに効率よく生産し、保守していくか。これは製造からその後の運用まで長く関わってくる問題だ。もちろん、これも設計に反映される。
 技術面でも、常に新たなチャレンジを行なっていた。ただし、その採用には慎重で、多くは試作車が作られ、そのデータが蓄積されたところで量産化されていた。もちろん、試作だけで終わってしまったものもあるが、それも技術革新の上での必要な糧とされた。
 そして何よりも、日本を代表する、しかも国営鉄道という責任とプライドもあった。
 これら多くの条件が調和したところに、いわゆる「国鉄型」と呼べる独特なデザインの車輛たちが誕生してきたと思う。

 国鉄の分割・民営化という大変革からすでに15年近い月日が過ぎようとしている。
 そして、役目を果たした国鉄型車輛が次々と消えていく。
 去りゆくものに興味がつのるのは、ファンとして当然な心の動きだろう。僕にとっても、その動向が気になって仕方ない。
 そこで21世紀となった今、残っている国鉄型車輛の現状がどうなっているのか、趣味的な見地からまとめるべく、この本を企画した。
 本構成は、今も活躍している国鉄型車輛をいくつか選び、ルポの形でその魅力を紹介。後半は各車輌ごとの概要と現況にあてた。
 これらの情報は、各鉄道の広報媒体、各鉄道趣味誌、時刻表、新聞など公刊資料を中心に使った。
 また、2000年度末の資料を使い、形式ごとに国鉄時代の総製造輛数と現状を比較した「消滅危険度」を設け、★印で示してみた。ちなみに★★★★★は20%以下、★★★★は40%以下、★★★は60%以下、★★は80%以下、★は81%以上(JR化後に増備され、100%以上になっている形式もある)を示している。
 消えゆく国鉄型車輛に対する僕の惜別の念を込めたこの本が、国鉄型車輛に興味を持つ方々の一助となれば幸いである。

                                      
目  次

「まえがき」にかえて
消えゆく国鉄型車輛 1

485系特急「加越」「雷鳥」の旅 12

「こだま」形のイメージを追って/「加越」は非貫通タイプの485系/国鉄型車輛の宝庫/485系よ、永久に!

キハ181系特急「いなば」の旅 26

「よん・さん・とお」デビューのキハ181系/0系や381系にも出会える岡山駅/大出力エンジン搭載のキハ181だが……/中央西線のスターだったキハ181系/国鉄ファンにはうれしいローカル線

京浜工業地帯に101系&103系を追う 37

新形電車の幕開け101系/鶴見線で103系を堪能/南武支線の101系

米坂線にキハ52を追う 47

「土・日きっぷ」で週末旅行/新潟経由で米坂線へ/窓が開くキハ52の魅力/峠越えでキハ52が本領発揮

武蔵野線に電気機関車を追う 57

貨物輸送で計画された武蔵野線/まずは堀割風の新小平で/ファンに人気の西浦和/新たなルートで体質改善
新幹線 0系 SHINKANSENを代表する顔(★★★★★) 68
新幹線 200系 東北・上越新幹線用に開発(★★★) 72
新幹線 100系 0系のフルモデルチェンジ車(★★) 74
特急形電車 183系・189系 房総特急用に開発された直流の汎用特急電車(★★) 76
特急形電車 185系 特急から通勤まで汎用タイプの特急形電車(★) 78
特急形電車 381系 日本初の実用振り子式電車(★★) 79
特急形電車 485系・489系 特急形交直流電車の決定版(★★★★) 80
特急形電車 583系 昼夜兼行で活躍する寝台電車(★★★★★) 87
特急形電車 781系 北海道用に開発された特急形電車(★) 89
急行形電車 165系・167系・169系 直流区間の急行用電車(★★〜★★★★★) 90
急行形電車 451系・455系・457系・471系・475系 交直流区間の急行用電車(★〜★★★★★)94
近郊形電車 113系 直流区間の平坦線用近郊形電車(★★★) 98
近郊形電車 115系 113系の勾配線・寒地向けバージョン(★★) 102
近郊形電車 117系 京阪神の新快速用近郊形電車(★) 106
近郊形電車 119系・121系・123系・221系・213系 そのほかの近郊形直流電車(★) 108
近郊形電車 401系・403系・421系・423系 交直流両用の初代近郊形電車(★★★★★) 110
近郊形電車 415系 交直流両用の汎用近郊形電車(★) 112
近郊形電車 417系・713系 2扉セミクロスの近郊形電車(★) 114
近郊形電車 711系 北海道向けの近郊形電車(★★★) 115
近郊形電車 413系・419系・715系・717系 特急・急行形改造の近郊形電車(★) 116
通勤形電車 101系 新性能電車の基礎を築いた通勤形電車(★★★★★) 118
通勤形電車 103系 経済性を重視した101系のモデルチェンジ車(★★★) 119
通勤形電車 301系 地下鉄乗り入れ用のアルミ車体電車(★) 124
通勤形電車 105系 ローカル線用の通勤形電車(★) 125
通勤形電車 201系・203系・205系・207系 技術革新時代の通勤形電車(★) 126
特急形気動車 キハ80系 国鉄初の特急形気動車も終焉間近(★★★★★) 128
特急形気動車 キハ181系 キハ80系の強力形モデルチェンジ車(★★★) 130
特急形気動車 キハ183系 北海道向けに開発された特急形気動車(★) 132
特急形気動車 キハ185系 四国向けに開発されたステンレス気動車(★) 134
特急形気動車 キハ58系・キハ65 全国で活躍した急行形気動車(★★★★★) 135
一般形気動車 キハ20系(キハ52) ローカル線の近代化を果たした気動車(★★★★★) 140
一般形気動車 キハ35系 都市近郊の非電化路線通勤用に誕生(★★★★★) 142
一般形気動車 キハ45系 キハ20系とキハ35系の中庸を狙った気動車(★★★★★) 143
一般形気動車 キハ40系 1977年から製造された汎用気動車(★) 144
一般形気動車 キハ66 + キハ67 大出力エンジンを搭載した近郊形気動車(★) 146
一般形気動車 キハ31・キハ32・キハ37・キハ38・キハ54 国鉄晩年に登場した新系列気動車(★) 147
客車 14系客車 分散電源方式で開発された特急形客車(★★★) 150
客車 24系客車 ブルートレインを代表する特急寝台客車(★) 152
客車 12系客車 新系列客車の基礎となった急行形客車(★★★★★) 154
客車 50系客車 旧形客車の置き換え用に量産された一般形客車(★★★★★) 156
機関車 EF64 山岳路線用の直流電気機関車(★) 158
機関車 EF65 平坦線用の汎用直流電気機関車(★★) 160
機関車 EF66 国鉄最大出力を誇った直流電気機関車(★) 162
機関車 ED75 標準化をめざした交流電気機関車(★★★★) 164
機関車 ED76 ED75に蒸気暖房装置を搭載した交流機(★★★★) 166
機関車 EF81 万能型の標準交直流電気機関車(★) 167
機関車 ED62・EF67・ED79 そのほかの国鉄型電気機関車(★〜★★★★★) 169
機関車 DD51 本線用の大型ディーゼル機関車(★★★★) 170
機関車 DE10・DE11 入換&ローカル線用のディーゼル機関車(★★★★〜★★★★★) 172
機関車 除雪用ディーゼル機関車 ロータリーやラッセル装置をつけた機関車(★★〜★★★★★) 174

今も残る国鉄型車輛 184
国鉄型車輛配置区略号一覧 189


あとがき

 僕に、鉄道の持つ魅力を教えてくれたのは、国鉄にほかならない。
 僕の鉄道趣味の対象が国鉄に留まっているわけではないが、その基礎となったのはやはり国鉄だった。身近な存在であり、ふだんから触れていたなかで、無数の思い出が心に刻み込まれてきたのだ。
 その心に残る情景のなかで、光り輝く主役はなんといっても車輛たちだ。
 すなわち、国鉄型車輛なのである。

 自分の趣味の原点とも言える、国鉄型車輛の消滅は、僕にとって、まるで故郷がなくなってしまうかのように寂しさをつのらせていく。
 1987年3月31日、僕は汐留駅に設置されたお別れ会場で国鉄終焉の瞬間を過ごしたが、昨今の動向はそのとき以上の悲しさを覚える。
 しかし、時の流れに逆らえるものではない。
 この半年間、せめて僕なりのアプローチで国鉄型車輛の思い出を形に残せないかと、日本中を歩いた。
 車種としてとらえれば、幸いにも現存するすべての国鉄型車輛に触れていた。多くは国鉄時代、旅人の貴重な乗り物として幾度もお世話になっていた。キハ185系やED79など、国鉄晩年に登場した車輛では、JRになってほどないころに出会っている。
 そしてこの10年間では、仕事の対象として全国の国鉄型車輛に触れることができた。
 この半年間の旅、そして原稿にまとめる作業は、国鉄に対する自分の思い出をつづり直すようなものだった。

 昨今の国鉄型車輛に関わる状況変化は激しく、作業中にも刻々と新たな情報が届いた。それらはできる限り反映させたつもりだが、フォローできなかったものも多い。この変革はこれからますます激しくなってゆくと思われる。
 改訂作業に間に合わない情報については、並木書房のホームページ(http://www.namiki-shobo.co.jp/html01/rail002.html)をお借りして、何らかの形でアップデートしていきたいと考えている。お気付きの情報があれば、ぜひ編集部までお知らせいただきたい。

 最後に、遅筆の僕に嫌な顔をせず最後まで付き合っていただいた並木書房出版部の皆様に感謝いたします。

 
松本典久(まつもと・のりひさ)
1955年、東京生まれ。東海大学海洋学部卒業。出版社勤務を経て、1982年からフリー。鉄道や旅をテーマとして『鉄道ジャーナル』『旅』などにルポを発表するかたわら、『地球の歩き方/シベリア鉄道編』(ダイヤモンド社)、『はじめての鉄道模型』(成美堂出版)、『とっきゅう』『しんかんせん』(小学館ドラえもんビデオシリーズ)などの制作に携わる。著書は『一度は乗りたい鉄道』(並木書房)、『時刻表を旅する本』(KKベストセラーズ)、『消えゆく国鉄特急図鑑』『SLが走る名風景』(彩流社)、『のりもの運転席ずかん』『はやいぞ!ぼくらの新快速』(小峰書店)など鉄道趣味書を中心に多数。