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●目 次

第1章 空母の技術的発達      

黎明期の艦隊航空隊/巡洋艦フューリアスの改造/失敗に終わった第二次改造/最終改造/初期の空母/鳳翔/ハーミーズ/未成戦艦と巡洋戦艦からの改造空母/赤城/加賀/英米の主力艦改造空母/イーグル(英海軍)/レキシントン(米海軍)/商船・特務艦からの改造空母/アーガス(英海軍)/ラングレー(米海軍)

第2章 日本の正規空母        

鳳翔/赤城/加賀/龍驤/蒼龍/飛龍/翔鶴/瑞鶴/信濃/大鳳/伊吹/雲龍型と戦時建造/アメリカの正規空母/イギリスの正規空母/アメリカの軽空母/イギリスの軽空母/アメリカの護衛空母/イギリスの護衛空母/船体構造 日英米空母の違い@/搭載機数 日英米空母の違いA/航続力 日英米空母の違いB

第3章 機動部隊の編制とその変遷                     

空母黎明期の運用と編制/開戦前後の機動部隊/南方作戦からミッドウェー作戦まで/ソロモン攻防期の機動部隊/ガ島撤退からマリアナ沖海戦まで/レイテ沖海戦から終戦まで

第4章 空母のメカニズム              

空母が建造されるまで/格納庫とエレベーター/飛行甲板/艦橋と煙突/風向指示機と着艦指導燈/着艦制動装置と滑走制止装置/通信装置/居住区/消火装置/航空燃料タンクの防御/搭載火器の変遷/レーダー

第5章 改造空母とは何か?                

改造空母と正規空母の違い/改造空母の利点と欠点/龍鳳/祥鳳型(祥鳳・瑞鳳)/千歳型(千歳・千代田)/大鷹型(大鷹・雲鷹・冲鷹)/飛鷹型(飛鷹・隼鷹)/神鷹/海鷹

第6章 空母搭載機                    

一〇年式艦上戦闘機/三式艦上戦闘機、九〇式艦上戦闘機/九五式艦上戦闘機、九六式艦上戦闘機/零式艦上戦闘機二一型と三二型/零式艦上戦闘機、艦上戦闘機「烈風」/九四式艦上爆撃機/九六式艦上爆撃機、九九式艦上爆撃機/艦上爆撃機「彗星」一一型と三三型/一三式艦上攻撃機/八九式艦上攻撃機、九六式艦上攻撃機/九七式艦上攻撃機/艦上攻撃機「天山」「流星」/一〇式艦上偵察機/九〇式二号艦上偵察機、九七式艦上偵察機/零式水上偵察機、艦上偵察機「彩雲」

第7章 日米空母部隊の運用と航空隊            

艦隊直衛部隊/第三航空戦隊/機動部隊(ハワイ空襲時)/第一航空戦隊/第二航空戦隊/東西での空母運用の違い/第五航空戦隊/搭載機の機種構成/第三艦隊/艦隊航空隊/第二艦隊/米海軍空母任務部隊/第16空母任務部隊(TF16)/CIC(戦闘情報中枢)の概念と運用/日米機動部隊の陣形の違い/改造空母(日本)の運用/護衛空母(米国)の運用/航空要員養成システム/航空要員のローテーション/基地航空隊/艦隊航空隊/航空要員の階級構成/艦隊航空隊の構成/艦隊航空隊の人事/補給・支援システム/航空艦隊のコンセプト

第8章 戦闘編制と常務編制                 

艦内編制/常務編制の分隊/戦艦と空母の定員/初期の艦内編制/太平洋戦争時の艦内編制/昭和一八年の改訂/運用科と内務科/内務科/航海科/砲術科/通信科/飛行科/整備科/医務科/機関科/主計科

第9章 空母機動部隊の戦歴1              

軍縮条約下の空母建造/米国を圧倒する日本の空母戦力/開戦前の日米の状況/ハワイ奇襲がなぜ成功したのか/真珠湾攻撃の計画立案/三つの大きな作戦/真珠湾奇襲を開戦第一撃とする/「トラ トラ トラ」奇襲成功!/開戦初頭の航空機の活躍/機動部隊の南進/インド洋作戦/米空母ホーネット機の東京空襲/ポート・モレスビー攻略作戦/珊瑚海海戦

第10章 空母機動部隊の戦歴2              

拡大する一方の戦線/空前の陣容でミッドウェーに出撃/ミッドウェー海戦の大敗/アメリカの反攻作戦開始/ソロモン海戦/南太平洋海戦/キスカ救出作戦/ブーゲンヴィル沖海空戦/機動部隊の再建/絶対国防圏を脅かすB29爆撃機/マリアナ攻略戦/不足する日本の航空戦力/幻の大戦果、台湾沖航空戦/空母機動部隊の最期、レイテ沖海戦/日本の空母の終焉


●あとがき

 コンバットAtoZシリーズの第7巻となる本書は、世界の海軍史上画期的だった日本の空母機動部隊の誕生から終焉までを総合的に解説したものです。
 本書を執筆するにあたり、各執筆者、イラストおよび図版の担当者は、「この一册で空母機動部隊の全てが分かる」を合い言葉に作業を進めてまいりました。内容につきましても、疑問の箇所は徹底的にこだわりました。たとえば「加賀」の舵の形式一つとってもさまざまな資料に当たって検討し、その結果が口絵のイラストに再現されています。本書は、日本の空母機動部隊の全容を明らかにしたものとして、ほかに類がないものと著者一同自負しております。
 表紙のイラストは、空母「信濃」と艦上攻撃機「流星改」です。ご承知のように「信濃」は完成直後、呉に回航中に米潜水艦に撃沈され、実戦に参加することはできませんでした。また、水平爆撃、急降下爆撃、雷撃ができる高性能艦上機として開発された「流星改」も、実戦配備が遅れ、戦局に影響を与えるまでには至りませんでした。もし、この両者の組み合わせが実現していたら、戦局はどうなっていたのか、そんな願いを込めてイラストにしてみました。
 それにしても、日本海軍が創設し、育てた「空母機動部隊の思想」が、結果的には競争相手であった米海軍に受け継がれ、二十一世紀に至る今も大型空母の建造がつづくのは歴史の皮肉であり、日本海軍の先見性を証明するものと言っても過言ではないでしょう。
 文章は第1、7章を高貫布士、第3、9、10章を橋本純、それ以外を林譲治が執筆しました。イラストは居村眞二、艦艇図面および編制図を安達裕章、作戦図を神北恵太がそれぞれ担当しました。
                                            

●居村眞二(いむら・しんじ)
1949年大阪に生まれ。つのだプロに入社。74年マンガ家としてデビュー、作品には『スペース・コマンド』『新宿非情線』(原作やまさき十三)、『女弁護士火魅子』(原作伊月慶悟)などがあり、荒巻義雄作の『紺碧の艦隊』(1〜15巻)をマンガ化。
●高貫布士(たかぬき・のぶひと)
1956年生まれ。神奈川県出身。和光大学人文学部専攻科卒。大学在学中より、軍事・国際問題、危機管理に関心を持ち、軍事評論家・小山内宏氏、航空評論家・青木日出雄氏らの有志が創設した研究講座『軍事学セミナ−』(一期生)に参加。現在、軍事アナリストとして専門誌を中心に寄稿。著書に『提督の決断・戦略ブック』(光栄)、『大日本帝国海軍兵隊戦記』(飛天出版)、『ザ・パシフィック・ウォー』(KKベストセラーズ)、『ドイツ装甲師団』(並木書房)など多数ある。
●橋本 純(はしもと・じゅん)
群馬県前橋市出身。軍事コミック原作者として「コンバットコミック」誌上で活躍。その後、小説家として軍事シミュレーション、歴史小説などを手懸ける。パソコン通信では、戦記シミュレーション関係のボードオペも担当している。著書に『海鷲の艦隊』『新海鷲の艦隊』(青樹社)、『連合艦隊零号作戦』『海嶺の連合艦隊』(飛天出版)、『ト・ロ・ル』(光栄)、『極東謀略戦線』『旭日燃ゆ』(KKベストセラーズ)など多数ある。
●林 譲治(はやし・じょうじ)
1962年北海道夕張郡長沼町生まれ。年少時より軍事や防衛問題に興味を抱く。上京後、戦略シミュレーションの原案作りなどで活躍。著書に『大日本帝国航空隊戦記』(飛天出版)、『兵隊元帥欧州戦記』『灼熱の波涛』(学研)、『連合艦隊秘史 覇龍の戦録』(KKベストセラーズ)、『帝国の危機』(アスペクト)、コンバットAtoZシリーズ『図解 海軍水雷戦隊』など多数ある。近刊として『図解 海軍潜水艦隊』『図解 海軍基地航空隊』(いずれも並木書房)がある。また海上自衛隊に関するホームページをインターネット上に開設している(URLはhttp://www.kt.rim.or.jp/~kaliy/JMSDF.htm)。