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●目 次

序章 ドイツ空軍の失敗の本質 

戦略なきドイツ空軍/長期戦には不向きな軍隊

第1章 ドイツ空軍の機体 

He51戦闘機/Bf109D、E戦闘機/Bf109F戦闘機/Bf109G戦闘機/Bf109K戦闘機/Me110戦闘機/Fw190A戦闘機/Ta152戦闘機/Me262戦闘機/He162戦闘機/Fi103無人機/Me110G夜間戦闘機/He219夜間戦闘機/Hs123戦闘爆撃機/Fw190F戦闘爆撃機/Ju87B急降下爆撃機/Ju87G急降下爆撃機/Hs129地上攻撃機/He111爆撃機/Do17爆撃機/Ju88爆撃機/Fw200爆撃機/He177爆撃機/Ar234爆撃機/Fi156偵察機/Ju52輸送機/Me323輸送機/Me163戦闘機

第2章 ドイツ空軍の戦い

スペイン内乱/ポーランド侵攻/PZL P11戦闘機/第二次大戦はじまる/西部攻勢/ヒトラーの電撃戦/世界最初のグライダー作戦に成功/フォッカーD21戦闘機/カーチス・ホーク75/モラン・ソルニエMS406/ドボワチンD520/ブレゲーBr693/ブリストル・ブレニムMkW/ゲーリングの勇み足、英仏軍取り逃がす/バトル・オブ・ブリテン/航続力不足のBf109戦闘機/ホーカー・ハリケーン戦闘機/スピットファイア戦闘機/土壇場で英戦闘機隊取り逃がす/自信取り戻す空軍/英補給部隊に痛撃くらわすドイツ空軍/東部戦線/ポリカルポフI16戦闘機/LaGG3、La9/Yak3戦闘機/IL2対地支援機/P39エアラコブラ戦闘機/消耗戦/崩壊するパイロット養成システム/ヤーボに変身した戦闘機/本土防衛/英爆撃隊vsカムフーバーライン/空軍、ケルンを守り切れず/ランカスター爆撃機/効果うすい対空砲/ドイツ上空の夜間戦闘/機材増産なるも…/立ち直ったドイツ夜間戦闘機隊/英米爆撃隊のほこ先かわす/B17爆撃機/米航空部隊に押し切られる/強襲機、爆撃隊に突進/P47サンダーボルト戦闘機/P51ムスタング戦闘機/燃料不足で飛べず/活かし切れなかったジェット機/虎の子を失ったガーランド/戦闘機中心に様変わりしたドイツ空軍

第3章 ドイツ空軍の人物列伝 

アドルフ・ヒトラー/ヘルマン・ゲーリング/ワルター・ウェーバー/ウォルフラム・フォン・リヒトホーヘン/エルンスト・ウーデット/エアハルト・ミルヒ/ハンス・イエショネク/ウィリー・メッサーシュミット/クルト・タンク/エルンスト・ハインケル/ハンス・ヨアヒム・マルセイユ/エーリッヒ・ハルトマン/ハンス・ウルリッヒ・ルーデル/ハンナ・ライチュ

第4章 ドイツ空軍の組織 

戦域拡大とともに版図広がる航空艦隊/独立性高い航空軍団/三つの飛行大隊からなる航空団


●あとがき

 飛行機好き(特に第二次大戦機)の中で、ドイツ機をあげる人が少なくないのは、時代を先んじた発明の数々に魅力を感じる人が多いからではないでしょうか?
 たしかに物量の面では大国にはかなわなかったが、元々が工業国のドイツには、少数の戦力で多数の敵に勝つという発想があり、ドイツ空軍の場合もその例にもれない。この思想によって、発明家がどんどん起用され、今日の航空技術の基礎となるものを多数残すに至ったと思う。それをこの本でどこまで表現できたかは読者諸氏に判断してもらいたい。
 最後に、この本の制作に協力して下さった、松井生樹氏、山上正一氏、久松潔氏、安田勲氏、神北恵太氏(順不同)に、この場をお借りしてお礼を申し上げます。
                                             小泉和明

 序章でも述べた通り、ドイツ空軍ファンならだれでも一度は、この勇敢で英雄的な組織をみじめな崩壊から救う道はなかったのかと考える。かくいう著者も、そうした素朴な疑問からドイツ空軍に近づいた一人だ。そして、それはまったく問題外という結論にたどりついた。なぜなら、ドイツ空軍の失敗は人間の失敗そのものだからだ。
 人間の成功や失敗は、だれか一人の人物の巨大な過誤によることは、まずない。それは、多数の人間の連続的かつ偶発的あるいは意志的な行為の積み上げの上に成立しており、終わってみてはじめて気づくという性格のものだからだ。そこには、変えようのない歴史のうねりが介在しているとしか思えない。
 さて、この言でいえば、この本もそうした人間の産物であり、成果を評価するのは著者ではなく読者であろう。
 なお、参考文献とさせていただいた著者や翻訳者の方々、執筆協力にあたってくれた吉瀬文俊氏はじめ、あらゆる面でご協力いただいた皆様に、感謝する。さいごに、「あとに続く者を信ず!」
                                             菊地秀一

●小泉和明(こいずみ・かずあき)
1949年生まれ。70年代に松本零士氏に師事。78年『マンガ少年』でデビュー。以後、得意なメカニックの知識を活かして、イラストレーターに転身。83年に小泉和明プロダクション設立。85年初のイラスト集『イカロスの翼』(朝日ソノラマ)を発表。現在は、ミリタリー関係のイラストを中心に活躍。スタッフの佐々木一、福山泰弘らとともに、アオシマ文化教材、フジミ模型、AFV CLUB(台湾)等で、パッケージイラストを描く。また「航空ファン」(文林堂)で折り込み精密イラスト、「コンバット・コミック」(日本出版社)で特集イラスト、「ニュータイプ」(角川書店)でガンダムWのポスターを発表。近刊に『軍事航空発展図鑑』(中国之翼出版)がある。
●菊地秀一(きくち・しゅういち)
作家、スポーツライター。歴史・旅行雑誌、航空ファンなど航空、軍事関係誌、一般誌で活躍中。著書に、『提督の決断・戦略ブック』『超兵器伝説』『三國志幻術合戦』(いずれも光栄共著)『NBAをもっと知りたい!』(光栄)などがある。趣味は登山、渓流釣り、スポーツ観戦。カルディネ代表。